組織マネジメントとは?効果的なフレームワークやおすすめの本も紹介
ブランドコンサルタント・中江 翔吾
「採用してもすぐに人が定着しない…」
「従業員の意欲や生産性が低いように感じる…」
「どうすれば効果的な組織運営ができるのか?」
どのような組織マネジメント方法を採用するのかということは会社の行く末を決めるくらい重要なテーマです。
というのも、どれだけ優秀で、意欲が高い人材が入ってきたとしても、組織マネジメントの方法が効果的なものでなければ
- 意欲が下がり、本来の力を発揮してくれない
- ほとんどのスタッフが定着せずに、1年以内に辞めていってしまう
- 効果的な助け合いが起こらず、チーム目標を達成できない
というような問題を発生させてしまうからです。
優秀な人材を採用しようとする前に見直すべきなのは、所属するメンバーが本来の力を発揮し、意欲高く、目標達成をできる環境を整備することです。
今回は「組織マネジメントとは?経営者が学ぶべき理由や効果的なフレームワーク」について解説したいと思います。
この記事を読んでいただければ、組織マネジメントについての基礎的な知識や業績だけでなく、働きがいが高い組織を作る方法についてもわかるようになっています。
ぜひ、最後までお読みください!
1.組織マネジメントとは
では、まずは組織マネジメントの基礎知識について解説をしていきたいと思います。
1-1.組織マネジメントの意味と目的
まず、組織マネジメントとは
メンバーが本来持っている意欲や能力を引き出し、組織として効果的な協業を生むことで、最大の成果を上げるために必要な組織運営のスキル
のことです。
そもそも組織を作る意義というのは
個人では決して達成できないような大きな目標・目的をたくさんの人の知恵や力を使って達成できること
です。
この際に重要になってくるのは、組織に所属する一人一人の力や知恵や才能をどれだけ引き出して、掛け算することができるかということです。
例えば、5人の組織で、それぞれの個人能力が「10段階中の10」という数値で表現できるとします。
個人では最大でも「10」のことしか達成できませんが、5人を掛け合わせると「10×10×10×10×10」となり「10万」のことを成し遂げることだってできます。
これが組織を作る意義になる訳ですが、組織マネジメントのやり方によっては、本来「10」の力を持っているはずなのに、個人の掛け算の合計が「1×3×2×6×2=72」や「1×1×3×3×1=9」といった数になる場合もあります。
つまり、個人の能力を最大限に引き出せないということですね。
アメリカの大手調査会社のギャロップ社は、日本企業で働く社員の中で
- 熱意ある社員:6%
- 熱意が低い社員:71%
- 熱意が全くない社員:23%
という日本社員のエンゲージメントのデータを発表しています。
100人従業員がいれば、6人しか熱意を持って仕事をしていないというのが、日本企業の平均だということです。
熱意を持って仕事をしていないということは、その従業員は本来持っているはずの能力を最大限発揮していないということです。
どれだけ能力があったとしても、その仕事に対して熱意を発揮できていなければ、大きな成果は出すことは難しいでしょう。
だからこそ、
どうすれば、個人個人の能力や意欲を最大限に引き出せる組織を運営することができるのか?
という観点は非常に重要なのです。
これこそが組織マネジメントを学ぶ目的です。
1-2.経営者が組織マネジメントを学ぶべき理由
一般的に
効果的な組織マネジメントの方法を学ぼう
という意欲を持つ経営者は割合として少なく、多くの場合、ただ漠然と組織を作って、運営していくことがほとんどです。
特に創業期は、組織づくりよりも売上をあげていくことに時間とエネルギーをかけて、組織づくりは、ただ漠然と実施されます。
ですが、漠然と組織を運営するだけでは、組織に所属する一人一人が秘めている本当の能力や意欲を引き出すことは難しいです。
それは先ほどのギャラップ社の調査結果を見れば分かると思います。
まず、大前提として、人が本来の能力や意欲を発揮できている時というのは
自分の興味・関心に従って意思決定や行動ができ、オーナーシップを実感している時
です。
オーナーシップが実感できているというのは
- 私は状況を所有している
- 私は状況を変えることができる
- 私は状況をコントロールしている
という実感があるということです。
この状態を従業員全員が実感できていれば、個人としても組織としても最高のパフォーマンスを発揮できますが、現実としては
自分の興味・関心に従って意思決定や行動ができ、オーナーシップを実感しているのは社長や優秀なリーダーなどの一部のメンバーだけ
という場合がほとんどだと思います。
100人いれば、100個の興味・関心があり、本来、メンバー全員の方向性はバラバラです。
ここから全員が同じ方向性を見れないと、組織本来の力を発揮できない訳ですが、多くの場合「指示・命令・管理」などの力によって、無理矢理に同じ方向を見させようとします。
というのも
言うことを聞け
という力によるコントロールが一番シンプルで、学ばなくてできる手っ取り早い方法だからです。
ですが、この方法をとってしまうと、メンバー自らの「やりたい」という意思ではないので、本来の力を発揮することができません。
なので、力ではない効果的な組織マネジメントの方法は学ぶ必要があります。
1-3.組織マネジメントとリーダーシップの違い
次に、組織マネジメントとリーダーシップの違いについて。
組織マネジメントもリーダーシップも
組織として最大の成果を上げるために必要なスキル
という側面では同じですが、大きな違いがあります。
組織マネジメントは
組織として最大の成果を上げるための組織構造を作り出す
という能力です。
組織構造というのは
- 目標や目的の設定
- 意思決定
- 実行と改善
という組織運営のプロセスのことです。
例えば、社内のルールを決めるという場面において
ルールの変更や作成には部署の社長の承認が絶対に必要。他のメンバーがどれだけ賛成をしても、社長が反対すれば許可されない
という構造を取ることもできれば
ルールの変更や作成は、多数決で決めることができる。たとえ社長が反対しても、賛成多数であれば、その変更は認められる
という構造を取ることもできれば
ルールの変更や作成には、全員が賛成しなければならない。また、提案者に対して反対意見がある者は、具体的にどの部分が許容できないかを提案者に伝えなければならない。提案者は反対意見を聞いた上で、何度でも提案をすることができる。
という構造を取ることもできます。
これはどんな価値観を持つメンバーがその組織に所属しているかによりますが、どの組織構造を採用するかによって、メンバーのパフォーマンスに変化があるのが理解できると思います。
簡単に言えば、これが組織構造であり、組織マネジメントで扱う領域です。
次にリーダーシップは
メンバーとの関わりにおいて、メンバーの意欲や能力を最大限に引き出し、目標達成に導く
という能力を指します。
メンバーを率いて、目標を達成させるといってもやり方は様々あるわけです。
例えば、
リーダーの言うことには絶対服従。文句を言わず、ただ言われたことだけやっていればいい
というリーダーシップを発揮することもできれば
互いの興味・関心を把握し、共通の目標・目的を創造して、目標・目的を達成する限りにおいてやり方はメンバーに任せる
といったリーダーシップの発揮の仕方もあります。
これもどんなリーダーシップを採用するかによって、メンバーのパフォーマンスが変わってくるわけです。
つまり、
- 組織マネジメント:組織構造にアプローチ
- リーダーシップ:個人にアプローチ
するという違いがあるということです。
メンバーの意欲や能力を最大に引き出し、成果を上げる組織を作る上では、両方とも欠かすことができません。
2.組織マネジメントの方法を見直すメリット
では、次に組織マネジメントの方法を見直すメリットについて。
2-1.生産性や業績の向上
組織マネジメントは、組織に所属するメンバーの意欲や能力の領域に影響を及ぼすので、この部分を見直すだけで、生産性や業績が向上することはよく起きます。
例えば、4年連続赤字だった歯科医院が組織マネジメントの方法を見直しただけで
- 単月の売上が1300万円から2000万円にアップし、過去最高記録を達成
- 年間12件しか売れなかった高額な歯列矯正メニューが3ヶ月で12件売れるように
- 1年で黒字化に成功
といったような事例もあります。
ポイントなのは、スタッフを変えていないということです。
組織マネジメントの方法を見直し、スタッフが本来持っている能力を発揮できるような環境を整えてあげるだけで、生産性や業績というのは向上していきます。
2-2.働きがいが向上し、定着率がアップする
また、組織マネジメントの方法を見直すことは、従業員の働きがいを向上させ、定着率アップにも繋がります。
特に今の時代は
- 労働人口の減少
- 従業員の会社に対する評価がWEB上で透明になっていること
- 転職が当たり前になってきた
といったような背景があり、働きがいが実感できにくい企業は求職者から選ばれにくくなっている傾向にあります。
また、上手くプロモーションを行って採用しても、実際の労働環境が働きがいが実感しにくい企業だとすぐに辞められてしまいます。
そうなってしまうと、採用コストと教育コストが過剰にかかるようになってしまい、経営自体が苦しくなっていきます。
だからこそ、働きがいを高めていくことは非常に重要になってくる訳ですが、これは組織マネジメントの方法を見直すことで改善していくことができます。
実際に組織マネジメントの方法を見直したことで
- 6ヶ月で離職率が17%から0%へとダウン(事業プロデュース)
- 3年以内の新卒離職率が50%から3%にダウン(BtoBコンサルティング)
- 平均離職率30%超の業界で離職率3%を実現(歯科医院)
といったような事例もあります。
2-3.リーダー層の負担軽減
また、組織マネジメントの方法は、リーダー層の仕事の負担を軽減することに繋がっていきます。
大抵の組織というのは、組織構造が原因で、メンバー層の意欲や主体性が低くなってしまっていて、そのフォローにリーダー層が奔走している場合がほとんどです。
メンバー層は仕事への意欲や主体性を失っているので、
- 同じミスを何度も繰り返す
- 0から10まで指示しないと動けない
- 自分の都合を優先させる
- 指示された以上のことはしない
といった状態で働いている場合が多く、このメンバーを率いて結果を出すことを求められるリーダー層の負担は莫大なものになっています。
なので、大抵の場合、仕事ができるリーダー層は仕事量で潰れてしまい離職してしまうか、より労働条件が良い転職先を探しているということがほとんどです。
こういった問題も組織マネジメントの方法を見直すことで解決することができます。
組織マネジメントの方法を見直せば、メンバーの意欲や主体性を回復させ、リーダーがメンバーのフォローに奔走しなくても目標を達成できるような組織にすることは可能です。
3.組織マネジメントの種類
では、次に具体的に、どのような組織マネジメントの種類があるのかということを紹介していきたいと思います。
3-1.トップダウン型組織マネジメント
まず、トップダウン型の組織マネジメントについて。
トップダウン型の組織マネジメントは「上意下達」という言葉があるように
トップの意思を実現していくこと
をコンセプトにした最もオーソドックスな組織マネジメントの方法です。
このトップダウン型組織では
- リーダー:計画・意思決定・指示・行動管理・結果責任
- メンバー:実行
という階層・役割に分けて、同じ目的・目標を追いかけていきます。
トップダウン型組織のメリットは
- 優秀なリーダーがトップに就任すれば短期間で大きな成果が上げやすい
- スピーディーに同じ目的・目標を追いかけるチームを形成できる
- トップの意思を組織全体に反映させやすい
- 組織運営の原則がシンプル
といったメリットがあります。
ただし、このトップダウン型の組織マネジメントでは「指示・管理」という思想が根底にあり、
- 意欲や働きがいが低くなり、離職率が高まりやすい
- 前例踏襲や効率化が進み、イノベーションが起きにくくなる
- 思考停止・指示待ちのメンバーが増え、人が育ちにくい
- 優秀なリーダーへの依存が進み、安定した結果が残せなくなる
といったデメリットも生じ易いです。
この辺りのことについては「トップダウンとは?最高の組織を作るためベストな意思決定方式とは何か?」という記事でも詳しく解説をしているので、興味がある人は併せてご覧ください。
3-2.ボトムアップ型組織マネジメント
次に、ボトムアップ型の組織マネジメントについて。
ボトムアップ型の組織マネジメントは「下意上達」という感じがあるように、トップやリーダー層が一方的に意思決定をするのではなく、
メンバー層の意見や提案も踏まえながら意思決定をし、同じ目標・目的を追いかける
という組織マネジメントのモデルです。
このボトムアップ型組織ではリーダーとメンバーの役割が
- リーダー層:計画・意思決定・指示・行動管理・結果責任
- メンバー層:提案・実行
と変わります。
メンバーはリーダー層に対して提案し、意思決定に参画できるようになるということですね。
このボトムアップ型の組織マネジメントには
- メンバーの意欲や働きがいが高まる
- 現場の細かな状況を踏まえた適切な意思決定ができる
- イノベーションが起きやすくなる
といったメリットがあります。
ボトムアップ型組織では、一方的な意思決定・指示・管理によって組織が統制されるわけではなく、メンバーの意思もしっかりと反映していくような組織構造なので、トップダウン型組織と比べると、メンバーの意欲や働きがいは高まりやすいです。
また、
どのように目標・目的を達成することができるのか?
ということを考えて、提案することができるので、メンバーの主体性が養われるだけでなく、組織全体としても現場の細かな状況を踏まえた柔軟な意思決定をすることができ、イノベーションも起きやすくなります。
ただし、ボトムアップ型の組織マネジメントには
- 意思決定に時間がかかる
- 意思決定の基準が明確にないと、メンバーから不満が出る
- リーダー層の仕事の負担が大きくなる
といったデメリットもあります。
この辺りのことについては「ボトムアップとは?トップダウンとの違いや組織運営のポイントを成功事例から徹底解説」という記事で詳しく解説をしているので、ぜひ見てください。
3-3.セルフマネジメント型組織マネジメント
次に、セルフマネジメント型の組織マネジメントについて。
一般的な組織マネジメントのモデルは「トップダウン型」と「ボトムアップ型」の2つになります。
どの組織マネジメントモデルを採用すべきかは
どんな組織を目指すのか?
によって大きく変わります。
ただ、もし
業績だけでなく、働きがいも高い組織を作りたい
ということに興味・関心があるのであれば、「セルフマネジメント型」という次世代型の組織マネジメントの手法も知っておくと良いでしょう。
セルフマネジメント型とは
リーダーに管理・指示されることなく、メンバーが自ら仕事の仕方を決め、仕事に関する意思決定を行い、最高の結果が手に入る
ことを目指す組織マネジメントの手法です。
セルフマネジメント型組織では、メンバーが最終的にはリーダーが従来担っていた「計画・意思決定・行動管理・結果責任」という役割を自ら行えるようになることを目指していくので
- リーダー:メンバーの意思決定と目標達成のサポート
- メンバー:計画・意思決定・行動管理・結果責任
というようにメンバーとリーダーの役割が変わります。
一言で言うのであれば
メンバーに任せても、自走し、最高の結果が手に入る
ことを目指すというイメージです。
もちろん、任せるといっても、いきなりリーダーと同じ意思決定や目標達成を求めることは難しいので
- 組織全体に影響の少ない領域
- リテラシーが必要ない領域
から少しずつ任せていきます。
つまり、いきなり経営の全体戦略や年間目標などの領域から任せるのではなくて、社内向けイベントや会議のルールなどの簡単な領域から任せていくということですね。
ですが、リーダーからの一方的な指示ではなく
- どんなことに興味・関心があるのか?
- どんな目標を立てるか?
- その目標をどうやって達成するか?
- 課題にどう対処するのか?
といったことを引き出してもらいながら、仕事をしていくことになるので、メンバーの意欲や主体性が回復し、働きがいも実感できるようになっていきます。
もちろん、メンバーに任せていく過程の中では失敗することもあるでしょうが、失敗も成功も経験しながら試行錯誤を繰り返し、飛躍的に成長していくことに繋がっていくので、最終的には
いちいちリーダーが指示・管理をしなくても、最高の結果が手に入る自走する組織
となっていきます。
結果として、リーダーの仕事の負担が大幅に減り、トップの意思決定率を大幅に下げることもできるようになっていきます。
実際に、トップダウン型組織からセルフマネジメント型組織へ移行した企業で
- 単月売上過去最高1300万円から2000万円にUPし、平均離職率30%を超える業界で離職率3%を実現(歯科医院)
- 売上昨年対比150%を達成し、採用コストが1500万円から400万円に(化粧品メーカー)
- 年間売上目標達成率が80%から150%に大幅アップし、営業の成約率が20%から40%へとアップ(動画制作)
- 従業員一人当たりの平均売上が過去最高になり、3年以内の新卒離職率が50%から3%にダウン(コンサルティング)
- 半年間で離職率が17%から0%へとダウンし、経営者の意思決定率を100%から60%に下げながら、1500万円の売上アップ(事業プロデュース)
といったような結果を出している事例もあります。
このセルフマネジメント型組織については「セムコスタイルとは何か?業績と働きがいが飛躍的に高まる組織の作り方を徹底解説」という記事でも解説しているので、併せてご覧ください。
4.組織マネジメントを学ぶ時におすすめな書籍
次に、業績だけでなく、働きがいも高い組織を作るために必要な組織マネジメントを学ぶ時におすすめな書籍について紹介したいと思います。
4-1.『ティール組織-マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(フレデリック・ラルー)
まず、一つ目の書籍がビジネス書大賞2019・経営者賞を受賞したフレデリック・ラルーの『ティール組織』です。
著書のフレデリック・ラルーさんはマッキンゼーで10年以上、組織変革のプロジェクトに携わったのちに、エグゼクティブ・アドバイザー、コーチ、ファシリテーターとして独立し、その後、2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い、本書を出版しました。
この『ティール組織』は
現代の組織の在り方が限界を迎えつつあるのではないか?
という問いからスタートします。
というのも、世界で実施されている組織に所属する人たちのエンゲージメント調査では、ネガティブな結果しか出てこないからです。
例えば、アメリカの大手調査会社のギャラップ社が実施した従業員エンゲージメントを計測した調査では
日本で働く社員の中で熱意ある社員は6%しかいない
という結果が出ており、世界平均でも熱意ある社員は組織の中の15%だったということが明らかになっています。
月曜日が待ち遠しいと思える人は少なく、月曜日が憂鬱だという人が大半を占めているというのが実情でしょう。
そこで『ティール組織』では
- 現代の職場であまりにもよく目にするような、病的な状態から解放された組織を作ることはできるのだろうか?
- 政治も官僚主義も、内部抗争も皆無で、ストレスや脱力感、諦めも怒りも無関心もなく、トップでふんぞり返る者も、底辺で単純作業に苦しむ者などいない職場はあり得るのか?
- 仕事が生産的で、充実していて、意義深い新たなモデルを作り出すことは可能なのだろうか?
- 人々の才能が花開き、何かをしたいという強い気持ちが尊重される、そうした情熱的な職場を、学校でも病院でも、企業、非営利組織でも作れるのか?
という問いかけを行い、これまで誕生してきた様々な組織モデルを歴史と共に振り返り、現代にフィットする、業績だけでなく、働きがいも高い次世代型組織モデルの提示をしていきます。
これまで人類が発明してきた様々な組織モデルを学べるという意味でも、一度は読んでおきたい一冊です。
また、このティール組織については「ティール組織とは何か?事例やメリット・デメリット|既存の組織モデルとの比較して解説」という記事でも詳しく解説をしているので、ぜひ、併せてご覧ください。
4-2.『奇跡の組織-「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則』(秦 卓民)
次におすすめしたいのは『奇跡の組織-「最高の働き方」を導き出すセムコスタイル5つの原則』という書籍です。
『ティール組織』では
- 現代の職場であまりにもよく目にするような、病的な状態から解放されている
- 政治も官僚主義も、内部抗争も皆無で、ストレスや脱力感、諦めも怒りも無関心もなく、トップでふんぞり返る者も、底辺で単純作業に苦しむ者がいない
- 仕事が生産的で、充実している
- 人々の才能が花開き、何かをしたいという強い気持ちが尊重される
などが実現される、次世代型組織モデル「ティール組織」という概念の提示をしました。
そして、その現代のティール組織の事例として紹介されている企業の一つにSEMCO社という産業機械の製造などを行う3000名規模の企業が紹介されています。
このSEMCO社は
- 平均年間成長率147%
- 就職人気企業ランキング第1位
- 離職率2%
を獲得しているというまさに業績だけでなく、働きがいが高いという企業です。
そして、その組織マネジメントの手法は
- 組織図も中長期的な事業計画もない
- 給与を自分たちで決定する
- 上司がいない(意思決定は自分たちでできる)
- 1000人単位の組織でも人事部は数名
- 働く場所も時間も定められていない
- 好きなチームに属することができる
といったこれまでの常識を覆すようなユニークなものだったということもあり、SEMCO社が実践していた組織マネジメントの方法は世界的な注目を集め、IBMやフォードや京セラのCEOが視察に訪れたり、ハーバード大学をはじめとした世界76大学の研究対象にもなりました。
その後、SEMCO社が実践していた組織マネジメントの手法は「セムコスタイル」として体系化され、今、日本を含む世界12カ国で普及し、数多くの業績だけでなく、働きがいが高い組織を生んでいます。
日本には2018年頃に入ってきて、もう既に数十社以上に導入され
- 単月売上過去最高1300万円から2000万円にUPし、平均離職率30%を超える業界で離職率3%を実現(歯科医院)
- 売上昨年対比150%を達成し、採用コストが1500万円から400万円に(化粧品メーカー)
- 年間売上目標達成率が80%から150%に大幅アップし、営業の成約率が20%から40%へとアップ(動画制作)
- 従業員一人当たりの平均売上が過去最高になり、3年以内の新卒離職率が50%から3%にダウン(コンサルティング)
- 半年間で離職率が17%から0%へとダウンし、経営者の意思決定率を100%から60%に下げながら、1500万円の売上アップ(事業プロデュース)
といったような成果を挙げています。
この「セムコスタイル」という組織マネジメントのメソッドを具体的な内容を学ぶことができるのが「奇跡の組織」という書籍です。
このセムコスタイルについては「セムコスタイルとは何か?業績と働きがいが飛躍的に高まる組織の作り方を徹底解説」という記事でも詳しく解説をしているので、併せて、ぜひご覧ください。
5.組織マネジメントを見直したいすべての方へ
今回の記事では、組織マネジメントについて様々な角度でお伝えしました。
ぜひ、今回の記事を読んで、自社の組織運営を見直すきっかけにしていただけると幸いです。
またこの「業績だけでなく、働きがいも高い組織を作る方法」に関して、もっと深く学んで実践していきたいと思われた方は、私の公式LINEアカウントで配信されている無料の動画講座をまずはご覧ください。
この動画講座では、
- 平均成長率年間147%、離職率2%、就職人気企業ランキングNo.1を実現した!次世代型組織の作り方
- 単月売上過去最高!離職率3%を実現した歯科医院のコンサルティング事例解説
- 採用コストが1500万円から400万円に下がった化粧品メーカーのコンサルティング事例解説
- 年間の売上目標達成率80%から150%にまで大幅アップした動画制作企業のコンサルティング事例解説
などを解説しています。
受講は無料なので、ぜひ公式LINEアカウントに登録してみてください。
もし記事の内容が少しでも勉強になったという方がいれば、SNSなどでシェアしていただけると、とても励みになります。