ブランドマーケティングとは?成功事例から実践ステップまでを徹底解説

ブランディングの専門家・中江 翔吾

DEAN & DELUCA

「ブランドマーケティングって何?マーケティングとの違いは?」
「ブランドマーケティングの成功事例を知りたい!」

「ブランドマーケティングの実践方法を知りたい!」

ブランドマーケティングは、これから時代において、売上を上げ、長期的な繁栄を築くためのマーケティング手法です。

ブランドマーケティングは、単純な「売上アップ」を目指す従来のマーケティングとは違って、「ブランドの確立」を目指していきます。

今の時代は、どんな業種業界であっても成熟化が進み、基本的な顧客のニーズに応えることができる、商品・サービスが溢れている時代です。

言い換えるなら、単純な商品力だけでの差別化が難しくなっているため、

どれだけ自社のブランドのファンを作るのか?

という視点が非常に重要になってきます。

ブランドが確立し、顧客がファンになると、その顧客はその分野に関する情報収集や競合他社との比較検討をやめて、自動的にそのブランドを選択するようになります。

ここでポイントなのは、単純な「売上アップ」を目指す従来のマーケティングでは、ブランドのファンを作っていくことはできないということです。

中江 翔吾
中江 翔吾
というわけで、こんにちは!ブランドコンサルタントの中江です。

今回の記事では、そんなブランドマーケティングについてお伝えしていきたいと思います。

この記事を読んでいただければ、ブランドマーケティングに関する基礎的な知識や成功事例だけでなく、具体的にどう実践していけばいいのかまでが分かるようになっています。

ぜひ、最後までお読みください!


1.ブランドマーケティングとは

まずは、ブランドマーケティングについて、解説していきたいと思います。

1-1.マーケティングとは

ブランドマーケティングを理解するためには、まず、マーケティングとは何かを理解する必要があります。

マーケティングとは一言で言うと

商品・サービスが売れていく状態を作る方法

のことです。

商品・サービスが売れないのは、

  • 商品・サービスの価値が低い
  • 商品・サービスの価値が伝わっていない
  • 商品・サービスの認知度が低い

のどれかが原因です。

商品・サービスの価値が低いとは、その市場において、希少価値が低く、ありふれていると言うことです。

例えば、牛丼屋を開業したとします。

この牛丼屋の牛丼は、全国チェーンのお店の味と比べて格別に美味しいこともなく、素材にもこだわりもない。

価格は、全国チェーンのお店よりも平均して300円ほど高く、作るスピードも非常に遅いお店があったとします。

この牛丼屋にお客さんが入らないのは理解できますよね?

というのも、全国チェーンの牛丼屋の方が、商品もサービスの質も上だからです。

これをマーケティングの力を使えば、お客さんが入るようにすることができます。

例えば、まず、日本全国にある牛丼屋の

  • コンセプト
  • ターゲット
  • 特徴
  • 選ばれる理由
  • メニュー
  • サービス
  • 価格

などをリサーチにかけ、これまでにないユニークでかつ、市場に求められるようなポジションを見つけ、商品開発をします。

例えば、銀座7丁目には「牛椀」というお店があります。

牛椀
画像出典:https://www.gnavi.co.jp/

このお店は、

「牛丼」は大好きだけど、チェーンの牛丼店は1人では入りにくい

という女性でも入れるような「ワンランク上の高級牛丼」を提供するお店です。

牛椀の店内
画像出典:https://www.gnavi.co.jp/

全国チェーンのお店の基本的なポジションは

  • 早い
  • 安い

なので、それとは全く真逆のポジションを取っているお店になります。

このお店のメニューは、懐石料理店の老舗「東京吉兆」の代表取締役・湯木俊治氏が全て監修し、国産の黒毛和牛のA3ランクのリブロースを使用しています。

特選牛椀
画像出典:https://www.gnavi.co.jp/

明らかに、これまでの牛丼屋という概念を覆すようなお店で、市場の中でも珍しい存在で、かつ商品力も高いので、何の変哲もない先程の牛丼屋よりは選ばれる可能性が高くなります。

市場をリサーチし、コンセプトを設計し、商品を開発するという「価値を創造する」という行為もマーケティング活動の一環です。

また、商品・サービスが選ばれないのは、「価値が伝わっていない」ことが原因の場合もあります。

どれだけ商品・サービス力が高くても、その価値が伝わっていなかったら、新規のお客さんはやって来ません。

例えば、牛椀のような牛丼を開発したとしても、

  • ホームページがボロボロ
  • 牛丼の写真が美味しくなさそう
  • 口コミが全然ない
  • 食べログの評価が低い

では、お客さんはやってきません。

この状況を改善するためには、料理メニューの写真をプロに撮影してもらい、ホームページをリニューアルし、既存顧客に口コミをしてもらうなどをすることによって、改善していくことができます。

この「伝わっていない価値が伝わるようにする」というのもマーケティング活動の一環です。

これによっても、商品・サービスが売れていく状態を作り出すことができます。

ただ、伝わっていない価値が伝わるように設計をしたとしても、そもそもこの牛丼屋の存在が誰にも認知されていない状態であれば、お客さんが増えることはありません。

特に、開業した当初というのは、ほとんどお店の認知度はない状態なので、次にここを拡大していく必要があります。

具体的には、ブログやSNSを使って、インターネット上で情報発信をしたり、食べログやPPC広告やチラシなどを使ったり、メディアPRを行うことで、雑誌やテレビに取り上げてもらったりすることで、認知度というのは拡大していくことができます。

これも、マーケティング活動の一環になります。

つまり、価値を創造し、伝え、広めることがマーケティングなのです。

1-2.ブランドマーケティングとは

そして、重要なのは、マーケティング活動の最大の目的が

売上を上げること

だということです。

ブランドマーケティングで実践することは

  • 市場のリサーチ
  • コンセプト設計
  • 商品・サービス設計
  • クリエイティブ制作
  • WEBマーケティング
  • 広告
  • メディアPR

など、実践すること自体はマーケティング活動と大して変わりません。

ですが、ブランドマーケティングは、「商品・サービスが売れていく状態を作る」だけでなく、そのマーケティング活動を通じて

ブランドを確立していくこと

を目指していきます。

1-3.マーケティング発想の事業が辿る結末

ここが従来のマーケティングとの決定的な違いです。

つまり、マーケティングは「売上目標」を最優先に目指しますが、ブランドマーケティングは「ブランドの確立」を最優先事項にするということです。

どちらの手法を使っても、売上を上げることはできますが、その結果として、出来上がる事業の質は大きく変わります。

例えば、マーケティング起点に生み出された事業というのは

  • 年商○○億円
  • 社員数○○名
  • 上場させる
  • バイアウトする

ことを目的に立ち上がります。

つまり、

売上が上がれば何でもいい

というスタンスですね。

例えば、

今、世の中は、コロナウイルスが蔓延し、おうち時間が増えて、デリバリー業界の売上が伸びている。そして、特に、牛丼の売上が突出して伸びているから、今、市場に出ている商品価値以上の牛丼を開発すれば、爆発的に売上が上がるんじゃないか

という感じですね。

そして、まずは、日本の市場にある、競合他社となる牛丼屋を分析し、

  • コンセプト
  • ターゲット
  • 特徴
  • 選ばれる理由
  • メニュー
  • サービス
  • 価格

などを把握していきます。

そこから

体にも優しい素材や作り方にもこだわった少し高級な牛丼が求められている

ということがわかったとします。

もし、市場で、そういうポジションが空白で、ニーズもあるのであれば、そういう牛丼を開発すれば、売れるとは思います。

後は、宣伝広告・広報活動を通じて、認知度が拡大していけば、どんどん注文は入っていくでしょう。

ですが、マーケティングを起点に始めた事業の末路は大体決まっています。

まず、その市場で売れるポジションが新たに見つかったのであれば、まず、競合他社は黙っていません。

同じようなマーケティングを軸に考える競合他社は、常に業界の中で売れている商品・サービスの動向をチェックしているので、そのポジションに近い、類似の牛丼が市場に溢れていきます。

そして、結果として、ポジションの奪い合いとなり、その市場はレッドオーシャン化して、売上はどんどん下がっていきます。

ここから重要になるのは、競合他社が真似できないような価値をそのブランド全体として形成していくことが大事なんですが、マーケティングを重視する企業は、これができません。

というのも、その経営者にあるのは「売上目標」に対する執着だけで、「牛丼」に対する情熱も、理想も、ポリシーもないからです。

せいぜいできることは、同じ業界で流行っている商品・サービスの猿真似か、違う業界で流行っている商品・サービスの猿真似です。

だから、その業界の中で

このブランドは他のブランドとは圧倒的に違う

と思わせるような商品は生み出せないのです。

そして、基本的には「売上」だけを主軸に考えているので、

  • 売上が上がりそう
  • 市場規模がありそう

と思ったところには、積極的に参入しようとします。

例えば、市場規模というところで言えば、牛丼チェーンの最大手と同じような

安くて、早い

ことをウリにした牛丼屋も全国に展開していくかもしれません。

でも、結局のところポジションが被っているので、泥沼の価格競争になっていくでしょう。

また、これまで提供してきた牛丼のコンセプトとは違うので、これまで固定ファンとしてついていた顧客も離れていくかもしれません。

ブランドとしての一貫したポリシーがなければ、固定ファンはつかず、結果として、事業は傾いていきます。

衰退のグラフ

また、売上が落ちてきたという理由だけで、本業とは何の関連性もない事業に手を出し、多角化して、失敗してしまう企業もありますが、これもマーケティングを主軸にした発想です。

そして、いずれにせよ、事業はどん詰まりになり、売上は下がり、事業に対するモチベーションも下がって、最終的には潰れてしまうというのが、多かれ少なかれ辿る末路です。

どんな業種業界であれ、9割以上の企業は、このマーケティング戦略を主軸に事業をしていると思います。

1-4.ブランドマーケティングの本質とは

一方で、ブランドマーケティングを実践する企業は、そもそも事業のスタートの発想から違います。

ブランドマーケティングを実践する企業は、事業のスタートの根本が「売上目標」ではなく、「ブランドが実現したい理想の未来」からスタートします。

例えば、日本のディーン & デルーカがそうです。

ディーン&デルーカ

ディーン & デルーカは、ニューヨーク発の

世界中の美味しい食べ物を集めた「食のセレクトショップ」

です。

そして、ディーン&デルーカの日本ブランドを立ち上げた創業者の一人が、横川正紀さんです。

横川正紀
画像出典:https://giftliershop.com/

横川さんは、大学時代に建築について学びましたが、最終的にはインテリア業界で仕事をすることに決めます。

というのも、当時の日本は、バブル期でした。

バブルによって、人々は「ハレ」(非日常)の文化にたくさんお金を使うようになり、その面に対する意識は発展していき、豊かになりました。

ですが、一方で、「ケ」(日常)の文化はおざなりになってしまっており、これからは「日常の豊かさ」が求められていく時代になっていくと感じたからです。

横川さんは、大学卒業後、北米のインテリアブランドに就職し、そこで出会った、「ジョージーズファニチュア」というインテリアショップのオーナーと意気投合し、インテリアショップを一緒に開くことになります。

日常の豊かさを追求する、インテリアショップを開いてみて、横川さんが感じたことは

インテリアや雑貨はどこまでいっても「器」でしかない。器の中に「食べ物」が入らなければ、生活は完結しない。お皿やグラスや鍋を扱っていても、「それで何を作るの?」「どう食べるの?」という具体的なシーンを提案できないことには、生活のイメージが広がらない(『食卓の経営塾』横川正紀)

ということでした。

そこで、このインテリアショップにカフェを併設することを思いつきます。

というのも、そのカフェに、インテリアショップで扱っている、テーブルや椅子や器を使って、食事と一緒に空間を楽しんでもらえれば、日常の豊かさを感じられる「スタイルのある暮らし」が体感できると思ったからです。

そして、次に問題となってくるのがくるのが、販売していく「食」です。

当時は、外食の次に来るムーブメントとして、「中食」が世界的にも注目され始めていました。

中食とは、外食と、家庭料理の中間の食事のことで、外食で食の豊かさを味わった人が、同じレベルの食事を自宅でも味わいたいというニーズが高まっていたからです。

横川さんは、買い付けで海外出張に行く中で、「高級食材店」でもなく、普通のスーパーでもない、中食を主に扱うグローサリーと出会います。

具体的には、ロンドンのハロッズやハーヴェイ・ニコルズ、パリのボンマルシェ、ベルリンのカーデーヴェー、ニューヨークのディーン&デルーカです。

ボンマルシェ

こういうグローサリーは、夕飯の献立が明確に決まっている人が必要な食材を買いに来るお店ではなく、普段は作らない料理を作ってみたくなるようなお店で、レストランに出てくるような惣菜や、びっくりするほど美味しい、食べたことがない食材との出会いがあるようなお店です。

こんな従来の概念を覆すような中食とインテリアがあれば、日常は豊かになっていくと確信したときに

ディーン & デルーカを日本でやらないか?

という誘いを受けます。

ディーン&デルーカは、1970年代のアメリカで誕生しました。

その当時のアメリカは

お金を持っている人の方が豊かだ。自分を飾るものを持っている人が豊かだ(『食卓の経営塾』横川正紀)

という価値観がまかり通っていました。

ですが、その一方で、日常生活の中心である、食は簡素化し、冷凍食品やインスタント食品が大流行していました。

そんな光景を見て、高校教師で、創業者の一人のデルーカさんは

アメリカは経済的には発展したけど、本質的な人の豊かさは置き去りにししてしまったのではないか?

という疑問を抱くようになります。

ここの社会に対する感性も非常に横川さんと共通しているところですね。

そして、デルーカさんは、

豊かさとはなにか?

について、考えを巡らせていった結果、辿り着いたのが、フードブローカーの父親が輸入していた、大好物の美味しいイタリアのチーズでした。

あの美味しさを普段からみんなに味わってもらえることができれば、日常の中で本物の豊かさを感じてもらえるんじゃないか?

と思い、一念発起して、高校教師を辞めて、小さなチーズ専門店を開きます。

そして、このビジョンに賛同したのが、当時、出版社に勤めていた、ディーンさんです。

ディーンさんは、デルーカさんにこう伝えました。

チーズだけじゃなく、イタリア食材だけでもなく、世界にはまだ知らない美味しいものがたくさんある。売れるものじゃなく、売りたいもの、自分たちが食べたくて、食べる価値あるものだけを扱う店を作ろう。美味しいものを味わう感動は必ず人を幸せにするはずだから(『食卓の経営塾』横川正紀)

そして、ここにディーン&デルーカが誕生しました。

ディーンとデルーカ
画像出典:https://www.deandeluca.co.jp/

ディーン&デルーカの事業の原点にある想いは

人の心を豊かにする、美味しくて、美しい世界中の食べ物を集めた食のセレクトショップを作ること

です。

売上目標の前に、「こんな理想の未来を作りたい」という想いがあるのです。

これが従来のマーケティングとの決定的な違いです。

そして、そういう想いがあるからこそ、従来の枠組みには当てはまらないようなマーケティングの手法が生まれたりします。

例えば、インテリアショップにカフェを併設することだってそうです。

当時の日本で誰が、そのような形態のインテリアショップの在り方を思い付いたでしょうか?

これは

どうすれば、インテリアを通じて、お客様の日常を豊かにすることができるか?

を突き詰めていかなければ、生まれない発想です。

実現したいブランドの理想の未来があるからこそ、独特の世界観が生まれるのです。

それは、商品選びでもそうです。

ディーン&デルーカでは

人の心を豊かにする、美味しくて、美しい食べ物かどうか

という基準で、店頭に並べる商品を決めていきます。

ディーン&デルーカには、7人のバイヤーがおり、彼らが、世界各地に足を運び、美味しい食べ物を見つけ、店頭に並べる商品候補として、日本に持ち帰ります。

そして、全ての商品を即座に採用するのではなく、試食会を開いて、

  • 美味しさ
  • 作り手の思い
  • ストーリー

などを選定基準に、厳正な審査にかけた上で、店頭で並べる商品を決めていきます。

その採用率は30%ほどだそうです。

単に

  • 売れそうだから
  • 流行っているから

という理由では選びません。

だからこそ、お客さんは口を揃えて

ディーン&デルーカでしか見かけない商品がたくさんある

というようになります。

また、接客でもそうです。

店の棚に置かれているのは、美味しさだけでなく、こだわりもストーリーも作り手の想いも詰まった商品ばかりなので、店頭スタッフは、魅力的な商品説明ができるというわけです。

これは単に「売れそうだから」「流行っているから」という理由だけで商品を並べてしまったら、できないことです。

つまり、ブランドの実現したい理想が、ブランドのポリシーを生み、それがブランドの一挙手一投足を決めて、ブランドの独特の世界観を築き、業界の中でも唯一無二の希少価値が高い存在にまで高めてくれるのです。

1-4.ブランドマーケティングで得られる効果

では、続いては、ブランドマーケティングを実践することで得られる効果について。

ブランドマーケティングを実践することで、

  • 高単価な商品・サービスを販売しても選ばれ続ける
  • 競合が多い市場でも選ばれ続ける
  • 多額の広告費を使わなくても、新規集客が安定的にできる
  • リピーターが増えるので、事業が安定的に成長する

という状態を作り出すことができます。

従来のマーケティングを実践していけば、顧客は、価格や機能的価値といった「費用対効果」を理由に、そのブランドを選択します。

ですが、「費用対効果」というのは比較可能であり、そういった理由で選ばれたとしても、より費用対効果の高い商品・サービスが市場に出てきた場合に、顧客は離れていってしまいます。

一方で、ブランドマーケティングを実践すれば、顧客はそのブランドに対して「費用対効果」以上の意味を見出し、ブランドを選択します。

ブランドの独自の世界観に魅了された顧客にとって、そのブランドは唯一無二の価値を持つ存在です。

たとえ、価格が他のブランドよりも高かったとしても

ディーン&デルーカで買っておけば、間違いない

という考えを抱くようになります。

だから、高単価でも商品・サービスが自然と売れていくのです。

また、これはブランドが確立された状態でよく起こるのですが、ブランドのターゲット層は、その市場において比較検討すらしなくなります。

例えば、ある小顔矯正サロンが、特定の顧客にとってのブランドになった時

顔についての悩みやトラブルは、この先生のサロンに任せておけば大丈夫

という思考になるため、もうその人は、わざわざ他の小顔矯正サロンについて調べなくなります。

なので、どれだけ競合プレイヤーがその市場にいたとしても選ばれ続けることができます。

そして、ブランドの価値を真に認識する顧客が増えれば増えるほど、口コミが広がっていき、リピーターが増えていくので、新規集客にかける広告費は減少し、固定の売上が上がっていくので、事業が安定的に成長するようになります。

2.ブランドマーケティングの成功事例

続いては、ブランドマーケティングの成功事例について解説していきたいと思います。

2-1.ワイス・ワイス

では、まず一番最初の事例は、日本の家具メーカーのワイス・ワイスです。

ワイスワイス
画像出典:https://wisewise.com

現在、日本の家具業界は基本的に

  • 価格が安くて、機能的な家具
  • こだわりの高級家具

という2極に分かれます。

ワイス・ワイスは、そういった最大手とは全く違う「第三の家具」という新しいポジションを提示しています。

ワイス・ワイスのブランドコンセプトは

物語のある家具

です。

ワイスワイスの家具は

  • どこの誰が作った家具なのかがわかるものだけを売る
  • 国産の木材を使用する
  • 作り手にどんな想いがあるのかも大切にする

という基準で製造・販売されています。

なぜ、このような方針で家具を製造販売しているのかというと、それは代表の佐藤岳利さんの人生のストーリーが大きく関係しています。

佐藤岳利
画像出典:https://www.projectdesign.jp/

佐藤さんは、大学を卒業して、乃村工藝社に入社し、東南アジアで、様々なホテルや百貨店の空間デザインを手がけ、その経験を生かして、ワイス・ワイスを創業します。

ワイス・ワイスの経営は、創業当初は順調で、グランドハイアット東京や、日本科学未来館などの空間デザインを数々担当しました。

ですが、そんな時に発生したのが、2005年の「耐震強度偽装事件」です。

この事件をきっかけに、建設業界全体への信用は失墜し、需要は落ち込みます。

そして、さらに追い討ちをかけるようにリーマンショックまで起こってしまい、建設の新規案件は完全にストップし、借金だけがどんどん膨らんでしまうという状況に追い込まれます。

佐藤さんは、生き残りをかけて、「安い日本向けの家具を作る」ことに経営の方針を転換し、中国の工場を視察しにいきます。

中国

ですが、その中国の工場で、佐藤さんは、家具作りに関する衝撃的な事実を知ります。

「より安く作れる」と評判の工場に視察に行った時に、佐藤さんは

この家具の木材はどこのものですか?

と工場長に聞きました。

すると、工場長からは

それには答えられない

と言われてしまいました。

なぜ、答えられないのかというと、その木材というのが、違法木材だったからです。

 

違法木材とは、先住民や野生動物を守るために、伐採が規制されている地域で、違法に採られた木材です。

そんな地域で木材を伐採すれば、生態系は乱れ、野生動物も先住民も生活ができなくなります。

違法木材

そして、さらに衝撃的だったのが

日本向けの家具の3割が違法木材で作られた家具

だったということです。

そういった事実を知ったときに、佐藤さんは

会社経営以前に、人としてやってはいけないことがあるだろう

と思ったそうです。

ですが、そんなワイスワイスも、当時は、自社で製造される家具に対して、違法木材のチェックはしていませんでした。

そして、とある環境団体の勉強会に出席したときに

あなたがオラウータンを絶滅させている張本人だ

と言われたそうです。

その日の帰りに、佐藤さんは、その言葉があまりにもショックで、電車で帰らずに、徒歩で4時間かけて、家に帰りました。

街の夜の風景

そして、家に帰って、寝ている子どもの顔を見た時に

この子が大きくなったときに、今の自分の仕事に誇りを持てるのか?

と自問自答したそうです。

そこから、ワイスワイスは、家具作りの方針を180°転換させて、

  • どこの誰が作った家具なのかがわかるものだけを売る
  • 国産の木材を使用する
  • 作り手にどんな想いがあるのかも大切にする

ということを忠実に守る家具だけを作るようになったのです。

それが

物語のある家具

です。

「激安」か「高級」かしか価値軸がなかった家具業界では全くの異質な家具でした。

KURIKOMA

そして、この斬新なコンセプトに共感する、会社はたくさん出てきて、富士山世界遺産センター、ハウステンボスの変なホテル、スターバックスコーヒーなど有名企業からオファーが殺到し、息を吹き返したそうです。

2-2.福島屋

では、続いての成功事例は「福島屋」という東京の羽村市にあるスーパーマーケットです。

福島屋
画像出典:https://www.fukushimaya.net/

福島屋の創業は1971年で、オープン以来、安売りや折込チラシなどの施策は一切使わずに、

  • 年商50億円
  • 10店舗展開

という結果を残しているスーパーです。

福島屋に買い物に来る人は

スーパーなら福島や以外は考えられない

と口を揃えて言うほど、ブランド化しているスーパーです。

では、福島屋は、なぜこれだけ人気なのか?

福島屋が選ばれる理由は

  • 健康のことを考えた、安心・安全の食材がある
  • 製法にもこだわり抜いた製品を置いている
  • 年間120日かけて全国から見つけてくる珍しくて、絶品の食材がある

など、様々ありますが、代表の福島さんが

お客様にとっての美味しさ、安心を追求し、吟味したものだけを提供したい

という強い想いを持って、店舗を経営しているからです。

福島徹
画像出典:https://greenz.jp/

ですが、最初から、そのような強い想いを持っていたわけではありません。

創業当初、福島屋は、売上第一主義のスーパーでした。

例えば、表向きでは

安心・安全で美味しいものを提供するスーパー

と謳っていたものの、実際に

どういう風に安心・安全について考えて、商品を仕入れているのか?

と聞かれても何も答えられなかったそうですし、売上を上げて、店舗を拡大して、とにかく社会で成り上がることだけを目的に経営されていたそうです。

ですが、その考えが180°転換した出来事が起こりました。

それが、立川に大きめの2号店をオープンした時のことです。

立川の2号店は、オープンして、1週目は、1日800〜1000万円の売上が上がり、順調でしたが、2週目からは1日120~130万円にまで売上が下がりました。

そして、売上は低空飛行を続けて、どんな施策を打っても、損益分岐点が超えられない状態が、約半年間も続きました。

福島さんは、事業を全て畳まなくてはいけない瀬戸際に追い込まれ、眠れない日々が続き、体重も15キロ落ちました。

なぜ、お客さんは買ってくれないんだろう?

極限まで追い込まれた福島さんの目の前に

この前のメロンとっても美味しかったよ

と声をかけてくれたお客様がいたそうです。

この言葉を聞いた時に初めて

お店にわざわざ足を運んでくれて、買い物に来てくださり、ありがたいな

と心の底から思えるようになり、感謝の気持ちで、涙が溢れてきたそうです。

そこから

本当にお客様に喜んでもらえるような店づくりをしよう

と思ったそうです。

では、どんなお店を作れば良いのか?

スーパーが扱うメインの商品は食べ物です。

まず、大前提として、食べ物は人間の身体に直接入るものであり、健康にも大きな影響を与えるものなので、安心・安全でなくてはいけません。

そして、食べ物は健康だけではなくて、美味しくなくてはいけません。

というのも、人は美味しいものを食べると、本当に幸せな気持ちになるからです。

だから、

安心・安全で、美味しいものを提供していくことは、人間の幸福や、豊かな生き方に繋がり、それこそがスーパーの社会的使命

と感じるようになったそうです。

福島さんは、「安心・安全で、美味しい食材」を求めて、年間120日も全国を飛び回っているそうです。

そこで見つけた、お客様の幸福につながるような食べ物だけが、お店に並ぶので、福島屋は、他の一般的なスーパーとは絶対に被らない品揃えとなっているのです。

2-3.アールエフ

では、続いての成功事例は「アールエフ」という医療機器を開発している企業です。

アールエフは創業が1993年で、それ以来、右肩上がりで、とてつもないほど順調に事業規模を拡大していきました。

具体的には

  • 初年度:年商4000万円(従業員2人)
  • 2000年:7億2000万円(従業員30人)
  • 2001年:9億3000万円(従業員45人)
  • 2005年:36億円(従業員151人)

で、12年間で、本社移転を8回もしており、それだけ業績は好調だということです。

アールエフの業績が順調に伸びていったのは「内視鏡カプセル」という商品を生み出せたからです。

従来の内視鏡は、筒状のファイバーを口から食堂の奥へと通すので、大人でも相当な苦痛を伴います。

大人でさえ検査を拒否する人がいてますし、子どもや赤ちゃんが感じる苦痛なんて計り知れません。

アールエフが開発した内視鏡は、直径9ミリ、長さ23ミリなので、簡単に飲み込め、苦痛は、ほぼありません。

カプセル内視鏡
画像出典:http://bplatz.sansokan.jp/archives/5053

ライブカメラ機能を持っていて、将来、このカプセルを通じて、患部に薬を照射することへの応用も期待されている商品です。

なぜ、こんな世界に衝撃を与える商品を生み出すことができたのか?

そこには、創業者の丸山社長の強い想いがありました。

丸山社長は、三人兄弟の末っ子として、長野県の上田市で生まれました。

家は、お父さんが鉄工所を経営していました。

ですが、経営はうまくいかず、家計は常に苦しかったそうで、そのために、母親が家事をしながら、外に出稼ぎにも行ってたそうです。

その苦労もあって、丸山社長が小学1年生の時に、母親は、ある時、激しい発作と共に、息もできずに苦しんだということがあったそうです。

でも、その時、父親は遠くに出稼ぎに出ており、母親のそばには、兄弟3人しかいませんでした。

とにかく医者を呼ばないといけない状況に追い込まれた丸山社長は、兄弟とともに、色んな病院に回って、往診を断られながらも、なんとか家に3人の医者を連れてきました。

ですが、その3人の医者は家に入ろうとせず、

「先生が主治医なのですからどうぞ。私は専門が違いますから」

と玄関前で、診察することをお互いに譲り合っていたそうです。

この時、

お袋は死にそうなのに、ちくしょう…体の中に何か機械を入れて、体の中の様子がわかるようになれば良いのに

と思ったそうです。

こうした想いが結実して、生まれたのが内視鏡カプセルです。

丸山社長は、病に苦しんでいる人、特に小さな子どもの命をもっと救いたいと本気で思っています。

そのことは、アールエフが、これだけ世界に誇れる技術を持っているにも関わらず、「特許申請をほとんどしない」ということにも現れています。

普通、企業であれば、自社の利益を考えて、どんどん特許申請をします。

でも、それをせずに、基本的には技術をオープンにしているんです。

というのも、特許を申請したことによって、自社の生産が間に合わなかったら、救えたかもしれない命が救えなかったとなるかもしれないからです。

特許申請やお金よりも大切なものがあるとわかっているんです。

頭でわかっていても、実際にこのように行動に移しているという企業はほとんどいません。

アールエフと同時期にカプセル内視鏡を作っている企業がイスラエルにもありましたが

どうせ使うんだったら、アールエフの製品を使いたい

と誰もが思うはずです。

アールエフで働きたいと思う人もいるかもしれません。

世の中にない、常識を覆すような、画期的な商品を生み出す原動力は「売上目標」からは生まれません。

  •  こんな人を救いたい
  • こんな人を幸せにしたい

という強い想いからしか生まれないのです。

3.ブランドマーケティングの実践手順

最後に、ブランドマーケティングの具体的な実践手順についてお話していきます。

3-1.ブランドコンセプトの構築

ブランドマーケティングの最初のステップは「ブランドコンセプトの構築」になります。

ブランドコンセプトとは、一言で言うと

ブランドの価値の方向性を示す概念

です。

どんな業種・業界で勝負するにしても、競合となるブランドは様々あり、それに伴って価値の方向性も様々あります。

例えば、カフェという業態一つとっても

  • インスタ映えする、パンケーキが食べられるカフェ
  • 地元の食材で作られた料理が楽しめるオーガニックカフェ
  • 客を「主人」に見立てて給仕などのサービスを行うメイドカフェ
  • 純粋にコーヒーの美味しさだけを楽しむカフェ
  • いくらでも長居してもいい仕事でも使えるカフェ
  • メルセデスベンツが試乗できるカフェ

など、価値の方向性は様々です。

そのブランドが選ばれるためにまず重要なのは、

このブランドはどんな○○なのか?

という価値の方向性を認識してもらうことです。

この価値の方向性すら認識してもらえなければ、まず、そのブランドが選ばれることはありません。

例えば、今、食べログで「表参道のカフェ」を調べると、336件のお店がヒットします。

表参道のカフェ

画像出典:https://tabelog.com/

今は、インターネットがあるので、競合のブランドというのは簡単に比較検討できる時代となりました。

では、見込み客はここからどうやって、ブランドを選択するのか?

まず、これだけ膨大な数があると、いちいち全てのページにアクセスして、ブランドの詳細情報を読み込んで、比較検討することは不可能です。

これはどんな業種業界であれ、共通しています。

だから、基本的に目に留まるのは、一目で価値の方向性がわかるブランドです。

例えば、先ほどのように

  • インスタ映えする、パンケーキが食べられるカフェ
  • 地元の食材で作られた料理が楽しめるオーガニックカフェ
  • 客を「主人」に見立てて給仕などのサービスを行うメイドカフェ
  • 純粋にコーヒーの美味しさだけを楽しむカフェ
  • いくらでも長居してもいい仕事でも使えるカフェ
  • メルセデスベンツが試乗できるカフェ

価値の方向性が明確であれば、選びやすいのです。

例えば、友人と出かけたことをよくInstagramにアップする人は、インスタ映えするパンケーキが食べられるカフェを選ぶかもしれません。

純粋にコーヒーを楽しみたいという人は、コーヒーに造詣が深いマスターがやっているメニューがコーヒーしかないお店を選ぶかもしれません。

また、仕事の打ち合わせで使えそうなカフェを探している人は、いくらでも長居して良い、ルノワールのようなカフェを選ぶかもしれません。

とにかく、価値の方向性が明確だと、ブランドのターゲットに合う顧客を集めやすくなるということです。

一方で、一番選ばれないのは

普通のカフェ。他のカフェとの違いがわからない

と思われるようなお店です。

実際には、他のカフェとの違いは明確にあったとしても、それがターゲットの見込み客に、伝わっていなければ意味がありません。

そして、価値の方向性を伝えていくためには、明確に

このカフェは○○なカフェ

ということを言語化する必要があるのです。

これがブランドコンセプトです。

ブランドコンセプトの作り方に関しては「価値が伝わる魅力的なブランドコンセプトとは?作り方と事例も徹底解説」という記事でも詳しく解説しているので、今回は簡単にステップだけ解説していきたいと思います。

ブランドコンセプトは大きく分けて、以下の5つのステップで作成していきます。

  • ターゲットの明確化
  • ブランドプロミスの作成
  • ブランドストーリーの作成
  • 選ばれる理由の明確化
  • ブランドコンセプトのキーワードを抽出し、キャッチコピーに集約する

最初のステップは、ブランドのターゲットを明確にすることです。

まず、ポイントとなるのは、作成したブランドコンセプトいうのは、地球上全ての人に響かせることは不可能だということです。

例えば、

客を「主人」に見立てて給仕などのサービスを行うメイドカフェ

というようなブランドコンセプトを作ったとしても、メイドに興味がある人もいれば、興味がない人もいます。

これはどれだけ完成度が高いブランドコンセプトを作っても起こることなので、まずは

  • どんな人に響かせたいのか?
  • どんな人に価値を感じてもらいたいのか?

を決めていきましょう。

そして、次のステップが「ブランドプロミスを作成する」ことです。

ブランドプロミスとは、決めたターゲットの人たちに対して、ブランドとして約束することです。

もっと具体的にいうと、

私たちのブランドと関わると、こんな未来が待っていることをお約束します

という宣言のようなものです。

例えば、

内面、外見ともに洗練された、あなたの理想に見合うパートナー候補との出会いを提供します

というような宣言がブランドプロミスですね。

これがあると、ブランドと関わる未来が想像できるので、見込み客は、そのブランドと積極的に関係を築きたくなるというわけです。

なので、これは決めるようにしましょう。

そして、3つ目が、ブランドストーリーの作成です。

これは

なぜ、あなたが、そのブランドプロミスを掲げようと思うのか?

というブランドの存在理由であり、必然性です。

これは、ブランドに対する共感を生んでいくために、絶対に必要なステップになります。

これまでのブランドマーケティングの成功事例で見てきたように、成功しているブランドというのは、自分の人生に根付いた筋の通ったブランドストーリーを持っているので、書き出すようにしましょう。

これが書くことができなければ、ブランドコンセプトを作ることはできません。

そして、4つ目が「選ばれる理由の明確化」です。

選ばれる理由とは

  • 強み
  • 独自性
  • 実績

のことです。

選ばれるためには「普通の○○ではない」ことを認識してもらう必要があるわけですが、

具体的に何が他とは違うの?

という部分を言語化する必要があります。

例えば、先程のマッチングカフェの例で言うと

  • このアプリに登録できるのは厳しい審査をパスした男女だけです
  • 週に一回は、必ずデートを設定できます
  • 顔バレ身バレは絶対しません
  • カフェデート後に互いを評価し、問題があるユーザーは退会となります

というような特徴が箇条書きで羅列されるだけで、価値を具体的に認識できます。

また、この選ばれる理由は、ブランドプロミスの信憑性を補強する効果もあります。

内面、外見ともに洗練された、あなたの理想に見合うパートナー候補との出会いを提供します

と言われても、具体的にどうやってそれを実現するのかは疑問のままです。

そんな時に、この選ばれる理由があると、その未来までのステップが想像できるので、より選ばれる可能性が高くなります。

そして、最後に、これまでの素材を集約して、以下のようなまとまった一つの表現に落とし込む必要があります。

10分の身だしなみ

吸引力の落ちないただ一つの掃除機

暮らしをかえる鍋

などのキャッチコピーを作るようなイメージですね。

作り方としては

  • ターゲット
  • ブランドプロミス
  • ブランドストーリー
  • 選ばれる理由

を考える時に、出てきたキーワードをまずは書き出していきましょう。

そして、この出てきたキーワードを組み合わせて、まとまった表現を作っていき、ブランドコンセプトを完成させていって下さい。

3-2.商品・サービスの設計

では、次に商品・サービス設計について。

商品・サービス設計において重要なのは、ブランドプロミスを果たすことができるモノを考えるということです。

例えば、私のブランドプロミスは

志のある企業・個人をブランドにすること

です。

そして、スキルとしては

  • デザイン制作:紙 & WEB媒体
  • コンサルティング:コンセプト構築、商品・サービス設計、SEO対策、MEO対策、SNS(Youtube、Twitter、Instagram、Facebook)、広告(PPC・SNS・チラシ)、PR(出版・雑誌・テレビ・新聞・ラジオなど)

などがあります。

やれることは色々とあるので、やろうと思えば

  • チラシ制作
  • 名刺制作
  • Facebook広告運用代行
  • MEO対策コンサルティング

などもできるのですが、こういったメニューは用意せずに

  • ホームページ制作
  • コンサルティング

の2本しかメニューとして打ち出していません。

というのも、私のブランドプロミスは

ブランドにすること

なので、そのためには事業のトータルサポートが必要になってくるからです。

例えば、名刺制作というメニューを作っていないのは、名刺を変えるだけで、すぐにブランドができる訳ではないからです。

もし、名刺制作というサービスを提供してしまったら

志のある企業・個人をブランドにすること

を約束として掲げているのに、「ブランドができない」ということになってしまいます。

ブランドとしての約束を守らないということは、信用を落とすことに繋がってしまいます。

信用を落とすことになってしまえば、どれだけ新規顧客を集めてきても、リピートも口コミもされないので、ブランドを確立することはできません。

なので、この観点から、商品・サービスの内容を考えてみてください。

3-3.クリエイティブの作成

続いては、クリエイティブの作成について。

ブランドコンセプトに基づいた商品・サービスが設計できれば、

商品・サービスを一度購入すれば、ブランドのファンになる

という状態を作り出すことができます。

なので、次のステップとして重要なのは「一度、商品・サービスを購入してもらうこと」になります。

そのために重要なのは

この商品・サービスは購入する価値がある

と思ってもらえるようにすることです。

つまり、まだ商品・サービスを購入したことがない見込み客の人に「商品・サービスの価値」を認識してもらう必要があるということです。

ここでポイントなのは、実態としてどれだけ商品・サービスの品質が高かったとしても、その価値が伝わっていなかったら選ばれないということです。

これは冒頭でもお話しましたが、どれだけ美味しい牛丼でも

  • ホームページがボロボロ
  • 牛丼の写真が美味しくなさそう
  • 口コミが全然ない
  • 食べログの評価が低い

という状態では「美味しさ」を認識することができません。

だからこそ、重要になるのは、商品・サービスの実体としての品質を高めるだけでなく、イメージとしての品質(知覚品質)を高める必要があるということです。

商品・サービス力に自信はあるけど、選ばれない原因は、この知覚品質が低いからです。

そして、この知覚品質の高さは

  • 写真
  • ホームページ
  • ブログ
  • SNS
  • ロゴ
  • メニュー表
  • チラシ

といったようなクリエティブの質で決まります。

なので、次はこのクリエイティブを整えていきましょう。

どこから整えていけば良いのかは、業種・業界や予算によっても異なってきますが、まず手始めに、最も気軽に取り組めるのは「写真」の部分だと思います。

特にビジュアルが決定的に重要な

  • 飲食店
  • アパレル
  • 美容

は写真にこだわるだけで、成約率というのは大きく変わったりします。

また、写真の次に取り組むべきなのは、ホームページですね。

ホームページは、ブログやポータルサイトと違って、決められた枠組みなどがなく、自由にブランドの世界観を表現することができます。

ホームページはいわば、インターネット上におけるそのブランドの分身です。

なので、最も成約率が高いメディアとして機能させることができます。

もちろん、どういう業者にホームページ制作を依頼するかによって、ホームページの完成度は大きく変わるので、まずは制作実績などをちゃんと確認した上で、依頼するのが良いでしょう。

私もホームページ制作はサービスとして請け負っているので、興味がある人は「ホームページ制作」のページをご覧ください。

3-4.ブランドのファンを作るコミュニケーション設計

では、続いては、ブランドのファンを作るコミュニケーション設計について。

業界が成熟化し、レッドオーシャン化すればするほど、商品・サービスの品質だけでは差別化しにくくなるというタイミングが必ずやってきます。

美容院なんかは特にそうですね。

もはやどこの美容院で施術を受けたとしても、ベースとなる技術力がどこも高いので、クレームが出るような仕上がりにはなりません。

そうなってしまえば、消費者感覚としては

どこで切っても一緒

という認識となり、価格競争に拍車がかかるようになります。

だからこそ、重要になるのは

  • 見込み客
  • 既存顧客

といかに関係性を縮めるかということです。

「関係性の近さ」というのは大きな選ばれる理由となります。

例えば、どちらの店に行っても商品・サービスの質や価格に大差がないなら、人は全く知らないオーナーがやっているお店よりも、親友がやっている店に足を運びます。

関係性の近さは、背景情報をどれだけ共有されて、それに対して共感されているのかによって決まります。

まず、見込み客と関係性を縮めるために重要なのは、

  • ブログ
  • SNS

などで、いかに情報発信をしているのかが重要になります。

ブランドの背景情報の共有は、コンテンツを通じて以外行われません。

ただ単にメニュー情報しか載っていないホットペッパービューティーしかないお店と、ホットペッパービューティだけでなく、Youtubeも発信していて、オーナーの人柄やお店に対する想いなどがわかるお店では、圧倒的に集客力は変わります。

また、より深い関係性を構築していくのであれば、ブログやSNSの発信から、LINEやメルマガに登録してもらって、そこからステップメールを購読してもらうことも非常に有効です。

ステップメール

ステップメールとは予め、登録したシナリオに基づいて、順次配信されていくメッセージシステムのことです。

このステップメールのコンテンツの中で

  • どういう特徴を持つブランドなのか?
  • どういうストーリーを持っているのか
  • 誰がこのブランドを立ち上げたのか?
  • これまでどういうお客さんがいたのか?

などの背景情報を共有することが重要です。

そうすれば、LINEやメールマガジンに登録すれば、自動的に、ブランドのファンが育って、そのまま購入・来店・問い合わせに繋がるという流れを作ることができます。

これが見込み客に対する関係性の近づけ方です。

また、既存顧客に対しても、関係性というのは深めていく必要があります。

既存顧客との関係性が近づけば近づくほど、情報収集や比較検討をされなくなり、リピートや口コミに繋がるようになります。

なので、既存顧客とも、既存顧客専用のコミュニケーション設計をすることが非常に重要になります。

既存顧客専用のコミュニケーション設計は

  •  LINE or メルマガ
  • オンラインサロン

などが、簡単に取り組めると思います。

LINEやメルマガは、ステップメールや定期配信を通じて、関係性をより深めて、既存顧客専用の限定オファーなどを通じて、リピートなどを獲得することができます。

また、それの応用版が、無料のオンラインサロンの運営です。

会員制サイトを整備し、既存顧客との双方向のコミュニケーションからコンテンツを配信していくというモデルになります。

コンテンツは、全てが音声や動画ではなく、実際にリアルで開催するイベントなどがあるととても良いと思います。

リアルでイベントを開催すると、ブランドとの関係性が縮まるだけでなく、既存顧客同士で関係性が深まったりするので、より深く、そのお店に通い続ける動機付けを作れるようになっていきます。

3-5.ブランドの認知の拡大

では、最後にブランドの認知の拡大について。

  • ブランドコンセプトの構築
  • 商品・サービス設計
  • クリエイティブの作成
  • ファンを作るコミュニケーション設計

ができれば、あとは、ブランドの存在を認知すれば、商品・サービスが購入され、リピートや口コミを積極的にするブランドのファンが生まれていくという状態になります。

ブランドの認知の拡大方法は、大きく分けて

  • WEBメディア
  • 広告
  • PR

の3種類があります。

3-5-1.WEBメディアによるブランドの認知拡大

WEBメディアとは

  • 検索:SEO対策、MEO対策
  • SNS:Twitter、Facebook、Instagram、Youtube

のようなオンライン上で無料で発信することができるメディアのことです。

SEO対策

SEO対策とは、ウェブサイト上で、見込み客が検索しそうなテーマについてブログ記事を執筆して、そのページ自体を検索結果の上位に表示させていく施策のことです。

例えば、私の場合であれば、ブランディングに興味・関心がある

  • 経営者
  • 個人事業主

の人に向けて、ブログ記事を執筆しています。

例えば、その中で「ブランドコンセプト」というキーワードで上位表示させることを狙って書いたブログ記事があるのですが、それが今、「ブランドコンセプト」という単一のキーワードで3位にまで上昇しています。

ブランドコンセプト

このブログ記事は1記事だけで、月間で3000アクセスほどあるのですが、この3000アクセスは「ブランドのコンセプト構築に悩んでいる」という見込み客のアクセスになるので、非常に商品・サービスの申し込みに繋がりやすいアクセスになります。

SEO対策の良いところは、成約の可能性が高い見込み客を集めることができることと、一度書いたブログ記事が資産になることです。

 

これはSNSなどではあり得ないことなのですが、例えば、3年前に書いた記事が、今でも毎月5000アクセス以上集め続けることだってあり得ます。

MEO対策

MEO対策もSEO対策と同様に検索からアクセスを集めていく方法ですが、MEO対策の場合は、ブログ記事などのコンテンツを作成するのではなく

  • Googleマップ
  • Yahoo!マップ

を活用して、「地域名 業種名」で検索結果の上位表示を目指していく施策のことです。

特に店舗経営をしている人は、ぜひ活用しておきたい集客方法です。

例えば、現在、Googleマップで「表参道 美容院」と検索すると、広告や普通の検索結果以外に、このように1ページ目の上部に、表参道の美容院が出てきます。

「表参道 美容院」の検索結果

当然ですが、「表参道 美容院」と調べてくる人たちがこのページを見るので、来店可能性が非常に高い見込み客にアプローチができるということです。

ただし、この検索結果のトップに出てくるのは、3件までなので、このトップ3に入ることができれば、かなり多くの見込み客へアプローチができます。

SNS

SNSはインターネットの検索から認知を拡大するのではなく、各SNSのプラットフォーム内で、自社ブランドの発信を受け取るフォロワーを獲得し、発信をプラットフォーム内で拡散して、認知を広げていくというアプローチになります。

例えば、Twitterであれば、ツイートと呼ばれる文字情報のコンテンツを発信すると、まず、自分のことをフォローしているフォロワーにその発信が届きます。

Twitterでの発信の拡散の図

そして、そのフォロワーが、

  •  いいね
  • コメント
  • リツイート

などのリアクションをすることで、さらにそのフォロワーへと拡散していくという仕組みによって、コンテンツが拡散していきます。

それぞれのSNSによって、

  • コンテンツ形式
  • ユーザー層
  • 集客方法

などの特性が変わってくるので、この辺りは「ブランディングとは?正しい意味と実行4ステップを完全解説」で、詳しく解説しているので、ぜひ、こちらも参考にメディアを選定してみてください。

検索にしても、SNSにしても、WEBメディアから集客するためには、コンテンツ作成を通じて集客していくことになります。

コンテンツにはそのブランドの価値観などの背景が込められるので、WEBメディアから集まる顧客は、ブランドとマッチした非常に質の高い顧客ばかりが集まるようになっていきます。

ただし、WEBメディアによるブランドの認知を拡大していく方法というのは、どちらかというと長期的な認知拡大戦略になります。

というのも、SEOであれ、MEOであれ、SNSであれ、メディアを立ち上げてすぐに多くの認知を獲得することは不可能だからです。

コツコツとコンテンツを作成して、数ヶ月〜1年と時間と労力をかけて、メディアを育てていき、徐々に認知を獲得していくことができます。

3-5-2.広告によるブランドの認知拡大

なので、併用して利用したいのが、

  • WEB広告
  • ポータルサイト
  • チラシ
  • DM

といった広告によるブランドの認知拡大です。

広告の良いところは、何よりもスピード感で、WEBメディアでかかる時間と労力をショートカットできるところです。

というのも、広告費さえ出せば、自社よりもブランド力を持つ競合他社と同じ場所に露出していくことが可能となるからです。

WEB広告

ただし気をつけておきたいのが、広告というのは基本的には入札制の性質を持つということです。

入札制とは、広告を出稿するプレイヤーが増えれば増えるほど、広告費用が上がっていく傾向にあるということです。

だから、

この市場は儲かる

という判断を多くのプレイヤーが思って、その市場に参入すれば、広告で採算が取れなくなってくることもあり得ます。

なので、短期的には広告を利用して、売上を確保しつつ、長期的にはWEBメディアを育てていくことが重要になってくるでしょう。

3-5-3.PRによるブランドの認知拡大

そして、最後に、これも長期的な施策ではありますが、実施したいのが「PR」になります。

PRとは

  • テレビ
  • 新聞
  • 雑誌
  • ラジオ

といったマスメディアでの掲載や経営者自身が出版をすることで、ブランドの認知拡大を狙っていく施策になります。

WEBメディアや広告での露出だけでも十分に売上を作ることはできますが、PRを実践すると、ブランドに対する

  • 認知度
  • 信用度

の桁が変わります。

認知度に関していうと、仮にテレビで紹介された場合、視聴率が1%であったとしても、全国の100万人の人にリーチすることになり、これだけ多くの人にアプローチできるメディアは他にないでしょう。

信用度に関しても、マスメディアで紹介されただけで、印象は全く異なります。

例えば

ananで紹介されたことがある小顔矯正サロン

なのか

○○というポータルサイトで地域No.1の小顔矯正サロン

なのかで、印象は異なります。

マスメディアで紹介されるだけで、初めてそのブランドのことを知った人の多くは信用してしまうのです。

また、PRで勝ち取った信用は、広告運用でも活きてきます。

PRで獲得したメディア掲載実績を広告運用の際に活用すれば、成約率は大きく変わります。

なので、

  • WEBメディア
  • 広告
  • PR

の3種類の認知拡大法を実践していきましょう。

4.ブランドマーケティングに取り組もうと思っている全ての方へ

今回の記事では、ブランドマーケティングに関する基礎知識や方法論を様々な角度でお伝えしました。

ぜひ、今回の記事を読んで、ブランドマーケティングを実践してみてくださいね。

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このWEBセミナーでは、

  • 高単価でも競合が増えても選ばれ続けるNo.1ブランドの作り方
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などを解説しています。

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中江翔吾
中江翔吾
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再び、ブランドマーケティングについて理解する(本ページ上部に移動する)


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