ビジョンとは?ミッション・バリューとの違いや効果的な作り方や事例を徹底解説

                       

ブランドコンサルタント・中江 翔吾

ビジョン

「ビジョンって何?」
「ビジョンを作るメリットってあるの?」
「効果的なビジョンを作り、浸透させる方法を知りたい…」

ビジョンは、その組織が目指す未来の方向性を一言で、言語化したものです。

このビジョンに対して、リーダーだけでなく、メンバーが

  • 実現したいと心の底から願い、行動している
  • 理解するだけでなく、仕事の行動基準としている
  • 関わる人に熱く語り、多くの人の共感を呼んでいる

という組織なのか

  • この会社が何を目指しているのかよく分からない
  • ビジョンは朝礼で読まされるけど、共感はしてない
  • ビジョンはホームページには書かれているけど、行動基準にはなってない

というメンバーが多くを占めるのかでは、その会社の未来が大きく変わるというのはいうまでもありません。

ビジョンはただの言葉ではなく

  • 生産性
  • 業績
  • イノベーション
  • モチベーション
  • 離職率
  • 働きがい
  • 採用

などにも大きく影響する、その組織を動かす原動力なのです。

中江 翔吾
中江 翔吾
というわけで、こんにちは!ブランドコンサルタントの中江です。

今回は「ビジョンとは?ミッション・バリューとの違いや効果的な作り方や事例」について解説したいと思います。

この記事を読んでいただければ、ビジョンに関する基礎的な知識だけでなく、ビジョンを作り、組織内に浸透させる具体的な方法についてもわかるようになっています。

ぜひ、最後までお読みください!

1.ビジョンとは

では、まずは「ビジョンとは何か?」について解説をしていきたと思います。

1-1.ビジョンの意味

ビジョンとは、その組織が目指す未来を一言で、明確に言語化したものです。

組織を作る意義というのは、個人では決して達成できないような大きなことを沢山の人の力や知恵を使って達成できることです。

組織とは

この組織に所属するメンバーと一緒に目指していく未来を端的に言語化したものがビジョンです。

ただし、組織の未来を言語化したものと言っても、

年商100億円の企業

最年少で東証一部上場

といった目標とは違います。

というのも、それがビジョンであることの第一条件は「世のため・人のため」という公益性が含まれているかどうかだからです。

多くの人は

楽に儲かると思ったから、ECサイト制作の事業を始めた

という会社に対しては、積極的に共感して、ECサイトの制作の依頼をしたり、その組織に入って活動を手伝おうとは思いませんが

本当は価値があるのに、正当な評価を受けていない日本の農家を救うためにECサイト制作の事業を始めた

という会社に対しては、積極的に共感して、ECサイトの制作の依頼をしたり、その組織に入って、活動を手伝おうとします。

前者と後者の差は公益性があるかどうかの違いであり、公益性が多くの人の「共感」を引き出します。

そして、その「共感」が「エネルギー」を生み出し、組織で目指す未来を実現するスピードが加速していくのです。

例えば、中川政七商店という日本の伝統工芸メーカーがあります。

中川政七商店
画像出典:https://www.nakagawa-masashichi.jp/

中川政七商店は、1716年に奈良で創業され、300年以上も続く、日本を代表する超老舗企業です。

今では、雑誌やテレビなどのマスメディア、百貨店などにもよく入っているので、名前は知っているという人も多いのではないでしょうか。

中川政七商店は、手績み、手織りの麻織物を作り続け、奈良晒が、徳川幕府から御用品指定を受けたり、他の代でも、宮内庁御用達の栄誉も受けたりしてきました。

そして、時代は移り変わり、13代目の当主に就任したのは、中川淳さんの代で、あるビジョンを掲げたことで、中川政七商店は大きな飛躍を遂げることになります。

中川政七
画像出典:http://kimamana-topic.com/

それが

日本の工芸を元気にする!

というビジョンです。

漆器・陶磁器・染め物・織物・和紙工芸・ガラス工芸・人形工芸など、日本の伝統工芸品は、これまで日常生活から日本らしさを支えてきた日本文化の根本です。

ですが、日本の伝統工芸品の市場は、この40年で右肩下がりの縮小を続けていて、1980年には、年間5400億円あった生産額は、2014年には1000億円になり、約8割も減少してしまいました。

売り上げが上がらず、市場も急激な縮小傾向ということもあって、後継者も不足して、廃業していくところが非常に多いのです。

実際に中川政七商店にも、年の瀬になると、経営悪化という理由だけでなく、後継者がいないということで廃業する取引先が、毎年、必ず挨拶に来たそうです。

日本の伝統工芸がこのまま失われ、伝統工芸品がなくなれば、これまで日本の中に息づいてきた、日本の暮らし自体が失われてしまいます。

このことに危機感を覚えた、代表の中川さんは「日本の工芸を元気にしたい」と心の底から思うようになり、このビジョンを掲げたのです。

またこのビジョンを具体化してものとして

日本の工芸各社が経営的に自立し、ものづくりに誇りを取り戻すこと。そして地域が潤い、日本人が誇りを取り戻し世界に工芸大国日本と言うブランドを作る(『日本の工芸を元気にする』中川政七)

とも語っています。

中川政七商店は、全ての事業戦略をこのビジョンを中心に基づいて行っているからこそ、業界では異質な存在となっています。

スタートは、茶道具や麻を使った生活雑貨を扱う製造小売事業だけをやっている一企業でしたが、今では、中川政七商店のような、全国の伝統工芸品の産地の一番星を作るために、同業者の伝統工芸品を扱う企業のコンサルティング事業を行なったり、その一番星を起点に、産地の衰退を止めて、産地を復活させる活動もしています。

コンサルティング

まずは、全国の各県を代表する工芸品メーカーがなければ、伝統工芸の復活はあり得ません。

だからこそ、これまで中川政七商店で培ってきたノウハウを活かして、コンサルティング事業を行い、各県を代表する伝統工芸品を扱う、新たなブランドを作ってもらいます。

ただ、それだけでなく、その一番星となる企業を中心に、これまで分業生産制だった体制を、資本集約により、製造プロセスを統合させる必要もあります。

じゃないと、どれだけ製品が売れても、後継者が現れなければ、いずれ製造できなくなってしまうからです。

そして、販売や生産体制だけでなく、さらに言えば、伝統工芸のファンも作っていかなければ、衰退は免れません。

そのために掲げたのが、一番星を中心とした、産地の産業観光化です。

例えば、長崎県の波佐見町(焼き物で有名な有田の隣町)に、中川政七商店がコンサルティングによって、再生させた「焼き物問屋・マルヒロ」という企業があります。

中川さんはマルヒロの代表の馬場さんに一から経営のことを教え込み、オリジナル商品を共同開発し、2010年にHASAMIというブランドを立ち上げ、倒産寸前の状態から、V字回復をさせました。

HASAMI
画像出典:https://www.nakagawa-masashichi.jp/

ただ、この1企業を再生させるだけでは、いけません。

実際に、下請けの工房などの廃業は、どんどん進んでいってるため、このままいけば、いずれHASAMIブランドも潰れてしまいます

もっと、根本的に、「波佐見の焼き物」の需要を復活させるほどのインパクトが必要になります。

そこで、マルヒロは、波佐見町にある1200坪の土地を買取りました。

HASAMI
画像出典:https://www.hasamiyaki.jp/

そこに大きな公園を作り、公園の中央では、波佐見焼の元請け・下請け揃ってのイベントを行えるようなスペースを設けたり、波佐見焼の直売店やカフェを作って、地元の食材を楽しめるような場所を作ろうという構想です。

HASAMI
画像出典:https://www.hasamiyaki.jp/

さらにここに宿があれば、立派な観光地となります。

産地が観光地化すれば、多くの人が産地に足を運ぶことになります。

産地に足を運んだ人は、作り手の仕事ぶりを見れたり、話を聞けたり、自分でも体験することによって、「波佐見焼」という完成系のプロセスを体感します。

伝統工芸品は、市場において、高価な品物ですが、そうしたプロセスを知ることによって、「なぜ、高いのか?」がわかるようになる訳です。

これはただ、本やネットでプロセスを知るだけでは得難い体験となり、波佐見焼のファンを増やすことに繋がります。

こういう産地を全国に作っていくことが、工芸大国日本を作ることに繋がっていくという訳です。

こういうような構想は、ただ単に私的な「売上目標」だけを掲げている企業では思いつかないことです。

また、このビジョンを実現すれば、多くの人が助かり、日本文化を守ることにも繋がっていくので、多くの人の共感を引き出すのです。

多くの人の共感を引き出すことができれば、顧客であれば商品購入に繋がりますし、従業員であれば意欲高く、仕事に取り組み、生産性も上がるでしょうし、取引先であれば協業の話も多く持ち込まれるかもしれません。

明確で共感されるビジョンを立てなくても、売上を上げることはできるかもしれませんが、明確で共感されるビジョンがあれば、

  • 業績
  • 生産性
  • イノベーション
  • 働きがい
  • 離職率
  • 採用

など、様々な領域で桁違いの結果を出すことに繋がっていくのです。

1-2.なぜ、ビジョンが組織には必要なのか?

また、ビジョンは大前提として、組織本来の力を発揮するために必要です。

組織本来の力を発揮するとは、

組織に所属する全員が同じ方向を優先し、活動している

ということです。

多くの企業ではこれができていません。

例えば、保険会社で

お客様がお金の心配なく安心して暮らせる人生をサポートする

という目的で保険の営業をしているという人と

とにかく売上を立てて、インセンティブさえもらえれば何でもいい

という目的で保険の営業をしているという人と

上司からできるだけ怒られず、楽に給料をもらいたい

という目的で保険の営業をしている人がいる組織は、所属メンバーの方向性がバラバラであり、組織本来の力を発揮できていない状態です。

組織本来の力を発揮できていない

こういう状態の組織は、それぞれのメンバーが

何を優先するべきなのか?

という価値基準が一致していないので、どれだけ話し合っても議論が噛み合わないという傾向にあります。

例えば、

お客様がお金の心配なく安心して暮らせる人生設計を優先しよう

ということに優先順位を置く保険の営業マンと

自分の年収をいかに上げるのか?

ということに優先順位を置く保険の営業マンとでは、話が噛み合わないのが理解できると思います。

こういう組織は、メンバーがそれぞれ目指したい方向性を優先していくので、組織が一体となって大きな目的・目標を達成することはできないのです。

一方で、これが揃うと、図を見ていただければ分かるのですが、全員が同じ方向を最優先に動き、力が合わさるので、組織が実現したい未来へ最速・最短距離で迎えるのです。

組織が本来の力を発揮できている

ですが、多くの企業ではこのビジョンは、言語化されていない場合が多いです。

また、言語化されていたとしても、リーダーだけが共感していて、メンバーは共感していないものが多いのが実情で、ビジョンを本当に使いこなせている企業はまだまだ少ないです。

1-3.ビジョンを作成する5つのメリット

では、続いてはビジョンを作成する5つのメリットについて。

1-3-1.意思決定のスピードが上がる

まず、最初のメリットが「意思決定のスピードが上がる」というものです。

そもそも、意思決定のスピードが遅いのは、メンバーの方向性や価値観が一致しておらず、どれだけ議論しても結論が出ないからです。

例えば、

Aという保険の商品を新たに取り扱うべきかどうか?

ということに関して、絶対的に正しい答えはなく、組織が何を目指しているかによって変わります。

例えば、

お客様がお金の心配なく安心して暮らせる人生サポートする

ことを目指している保険会社であれば、そのAという商品を扱うことで「お客様がお金の心配なく安心して暮らせる人生」に近づくのかが基準になりますし

日本一年収が高い保険会社

を目指している企業であれば、「Aという商品を売ることでどれくらい利益が上がるか?」が基準になります。

もし、全員が最終的な基準とする価値観が一致していなければ、

Aという商品を扱えば、利益は上がるかもしれないけど、お客様の為にならないじゃないか!

Aという商品はお客様のためになるかもしれないけど、利益が上がらないじゃないか!

という風に揉めて、結果として意思決定のスピードが遅くなります。

明確なビジョンを設定することで、絶対的な判断基準ができるので、組織として迅速に意思決定ができるようになるのです。

1-3-2.生産性が向上する

続いて「生産性が向上する」について。

ビジョンを作成すると、

  • 何のために仕事をしているのか?
  • どんな仕事が評価されるのか?

といった方向性が明確になるので、メンバーの意欲は高まり、生産性が向上します。

生産性が低くなるのは、メンバーが

  • 何のために仕事をしているのか?
  • どんな仕事が評価されるのか?

といった方向性が分かっていない時です。

マラソンでもゴールが明確で、どこに向かうのかが明確だからこそ、全力で走り出すことができますが、ゴールもどこに進めばいいのかもわからないマラソンでは、誰も全力で走り出すことはできません。

マラソン

なので、ビジョンはしっかりとこの部分を言語化していくので、生産性が上がっていくのです。

1-3-3.商品・サービスの品質が高まり、顧客満足度が向上する

また、ビジョンを定めることは、仕事の視座を高めることに繋がります。

  • 生活のために、保険の営業をしているのか
  • お客様がお金の心配なく暮らせる人生をサポートするために保険の営業をするのか

では、仕事の質が大きく変わることは言うまでもありません。

ビジョンには「公益性」があり、必ず、それがお客様の幸せに繋がっているため、これを基準にメンバーが仕事をするようになれば、自然とお客様に喜ばれるようになり、顧客満足度が向上していきます。

顧客満足度が向上すれば、リピート率の上昇や口コミ数のアップにも繋がっていきます。

1-3-4.人間関係のストレスが減り、働きがいが高まる

ビジョンを作成し、それが組織全体に共有された価値基準になると、人間関係のストレスが大幅に減ります。

人間関係のストレスは、全員が同じ方向性を見れていない時に発生しやすいです。

例えば、これもよくありますが、上司が仕事において

これまでのやり方を踏襲して、できるだけ効率的に処理して、ミスを最小限に防ぐこと

を重視していて、その部下が

これまでのやり方を更に改良して、よりスピーディに組織が目指す大きな目標・目的を達成すること

を目指している場合はトラブルになりやすいです。

ネガティブフィードバック

上司はその部下に対して

余計なことはするな。指示されることだけをやっておけ

と言いたくなるでしょうし、部下は

いつまでも有効性がなくなっている古いやり方にしがみついてたら、良い仕事はできない

と不満を持つでしょう。

ですが、ビジョンが明確に定まると、互いが仕事において優先するべき方向性や価値観が明確になり

どっちの方向性や価値観が正しいのか?

ということでもめなくなるので、人間関係のストレスが大幅に減り、働きがいが高まっていきます。

1-3-5.同じ志を持ったスタッフが集まり、離職率が下がる

また、ビジョンを明確にすることは、採用にとっても非常に大きなメリットがあります。

採用におけるメリットとは

そもそも組織の方向性と合わない人を採用しなくて済む

ということです。

どれだけ優秀で仕事ができる人材であっても、組織の方向性と合わない人を採用してしまったら、組織内不和が起きたり、離職に繋がるなどの問題に発展します。

例えば、

お客様がお金の心配なく安心して暮らせる人生設計を優先しよう

という組織の大きな方向性があるのに

保険は売れればいい。仕事においては、いかに自分の年収を上げるかが最も大切

という価値観の人を採用してしまったら、上手くいかないのは誰もが理解できると思います。

日本でトップクラスに一人当たりの生産性が高い保険会社の採用では、合計6回のセッションや面接を行い、しっかりと会社の方向性と採用候補者の方向性のすり合わせを行なった上で、採用を決定するという話を聞いたことがあります。

応募に対する採用率は2%ですが、はじめにしっかりとすり合わせを行うので、入社した従業員はハイパフォーマンスを発揮できるというわけです。

1-4.ビジョンとミッションとバリューの違い

では、続いては、ビジョンとセットで語られるミッションとバリューの違いについて解説をしておきます。

1-4-1.ビジョンとミッションの違い

まず、ビジョンとミッションの違いについて。

ミッションとは、辞書で引くと

  • 使命
  • 任務

という意味がある通り、その組織がビジョンを実現するために、命を賭して自らが果たしていく務めを言語化したものです。

例えば、Amazonでは

The Everything Store(全てのものが買える店)

というのがビジョンであり

地球上最もお客様を大切にする企業であること。お客様がオンラインで求めるあらゆるものを探して発掘し、できる限り低価格でご提供するよう努めること

がミッションです。

1-4-2.ビジョンとバリューの違い

次にビジョンとバリューの違いについて。

バリューは、ビジョンを実現するための行動の価値基準を意味します。

ミッションをより現場の仕事レベルの判断・行動基準を言語化したものだと捉えて良いでしょう。

例えば、Amazonには「Our Leadership Principle」という以下の行動基準があります。

  • Customer Obsession:カスタマーを起点に考え行動する。
  • Ownership:自分のチームだけでなく、会社全体のために行動する。
  • Invent and Simplify:革新と創造を求め、常にシンプルな方法を模索する。
  • Are Right, A Lot:強い判断力と経験に裏打ちされた直感を備え、正しい判断を行う。
  • Learn and Be Curious:常に学び、自分自身を向上させ続ける。
  • Hire and Develop The Best:優れた才能を持つ人材を見極め、組織全体のために進んで人材を活用する。
  • Insist on the Highest Standards:常に高い水準を追求する。
  • Think Big:大胆な方針と方向性をつくり、示す。
  • Bias for Action:スピードを重視し、まず行動する。
  • Frugality:倹約し、より少ないリソースでより多くのことを実現する。
  • Earn Trust:注意深く耳を傾け、率直に話すことで信頼を得る。
  • Dive Deep:常に各業務に気を配り、詳細も認識する。
  • Have Backbone; Disagree and Commit:信念を持つ。賛成できない場合には異議を唱える。しかし決定されたら、全面的にコミットして取り組む。
  • Deliver Results:実行し、結果を出す。

引用元:https://weare.caroa.jp/corp/amazon/

2.ビジョンの事例

では、続いては、優れたビジョンの事例について紹介したいと思います。

2-1.ファクトリエのビジョン

1つ目は、日本のアパレルブランドのファクトリエが掲げる

世界に誇る“気高きメイドインジャパン”を復活させる

というビジョンです。

アパレル業界は言うまでもなく、競争が激しい世界です。

そんな中、ファクトリエは2012年に創業し、創業4年で売上10億円を達成して、コロナ禍でも売上を更新していってるアパレルブランドです。

ファクトリエ
画像出典:https://orgabits.com/

今、日本のアパレル・繊維産業というのは非常に危機的な状況にあります。

日本を近代国家に押し上げた背景には、日本人特有の器用さによって生まれた、質の高い生糸や織物技術があるという風に言われています。

昭和初期までは、日常的に、普段着を機織り機で自作したり、お店で仕立てしたりするのが当たり前でしたが、戦後になり、高度経済成長を迎えると状況が一変します。

高度経済成長によってもたらされたのは、大量生産・大量消費の流れであり、繊維業界もその流れに飲み込まれ、職人の手仕事よりも、機械による効率化が重視されるようになっていきました。

1980年代には、国内アパレルメーカーによって、独自ブランドが数々生まれていきましたが、基本的には

いかに安く大量に服を作ることができるのか?

が重視されていたため、生産は国内ではなく、海外の工場へとどんどん移ります。

仮に国内の工場に発注があったとしても、価格の決定権はメーカーにあるので、無理難題の要求をされても、ただその要求を飲み続けるしかなく、段々と疲弊していき、技術力のある国内の職人や工場がどんどん消えていったというわけです。

具体的にいうと、1990年には約50%あった国内アパレル品の国産比率は、2017年にはたったの2%まで減少してしまいました。

もはや「メイド・イン・ジャパン」の服作りというのは、風前の灯のような状況になってしまいました。

こんな国内の危機的な状況に対して、一石を投じ、状況を大きく変えていっているのが、ファクトリエというブランドです。

ファクトリエというブランド名は「ファクトリー(工場)」と「アトリエ(集団)」が組み合わさってできています。

このファクトリーは、国内で日本を代表するような職人技術を抱えている工場のことで、ここに所属する職人たちとともに、職人の技術と情熱が結集された、メイドインジャパンの衣服を作っているのがファクトリエです。

ファクトリエは、店舗を持たず、ECサイトのみの「工場直販」という新たな販売モデルを確立し、国内の職人にもしっかりと利益が還元される仕組みを作り、

  • どんな工場の職人さんと作ったのか?
  • どんな工場なのか?どんな技術を使っているのか?
  • どんなこだわりがあるのか?
  • 製品を作るのにどんな苦労があったのか?
  • どんな思いを込めているのか?

など、商品の背景となる「物語」とセットで販売することで、多くの人から支持されるアパレルブランドとなっています。

ファクトリエは、2020年9月時点で、55の工場と提携して、国産の衣服を作っています。

世界に誇るメイドインジャパンの復活

は日本人であれば、誰もが望んでいることであるので、この未来像をシンプルに言語化しているというのが非常に大きなポイントです。

2-2.Vivid Gardenのビジョン

続いてが、通販サイト「食べチョク」を運営する株式会社Vivid Gardenの

生産者のこだわりが正当に評価される世界へ

というビジョンです。

食べチョク
画像出典:https://www.tabechoku.com/

食べチョクは、全国各地でこだわりの野菜や肉や魚などを生産している生産者から、一般消費者が直接、食材を買える、産地直送のECサイトです。

2020年12月時点で、登録生産者は3300軒を突破していて、数ある産直ECサイトの中で

  • お客様認知度
  • お客様利用率
  • お客様利用意向
  • Webアクセス数
  • SNSフォロワー数
  • 生産者認知度

の6つの項目でNo.1に、コンスタントに月間100万人以上がサイトに訪問していて、年間流通総額は数十億円規模にもなりました。

代表の秋元さんは、神奈川県相模原市にある農家の長女として生まれました。

秋元里奈
画像出典:https://news.1242.com/article/246741

実家が農家であり、その広々とした畑に色とりどりの野菜が育っていることが何よりも嬉しく、自分にとっての誇りでした。

ですが、母親からは

農家は継がなくていい。農業は儲からないのよ

と言われていて、遂に中学生の頃に、実家の農業は廃業してしまいました。

秋元さんは、その後、DeNAに就職し、久しぶりに実家に戻った時に見た畑は、完全に荒れ果て、作物が一つも実っていませんでした。

その光景にショックを受け

農業の業界に貢献したい。懸命に野菜を作っている農家さんたちが報われる社会を作りたい

と強く思ったそうです。

全国には、こだわりを持って作物を育て、家畜を育て、魚を獲っている方達はたくさんいますが、既存流通の構造的な問題で、正当な利益を得られていない生産者がたくさんいます。

既存流通は、規格に合った作物であれば全量買い取ってくれたり、コンテナのまま出荷できるので手間が少ないというメリットがあり、食材を安定供給するためには重要な仕組みです。

しかし、一方で、生産者自身が納品する作物の価格を決めることができず、規格に基づいた一律の金額でしか買い取ってもらえません。

どれだけ作り方にこだわっても、そのこだわりが価格に反映されることはないのです。

例えば、どれだけ、とびきり美味しい無農薬の梨を作っていても、サイズや色が規格に合っていなければ、買い取ってもらえないのです。

梨

食べチョクは、こうした生産者のこだわりを付加価値にし、正当に評価される仕組みを作ったのです。

具体的には、食べチョクに出品すると、それぞれの食材の販売ページを作ることになるのですが、

  • それはどんな土地で育ったのか?
  • どんなこだわりを持って育てたのか?
  • 育てている人はどんな人なのか?

という背景が詳しく書かれています。

そして、価格の決定権は、生産者にあります。

自分が「正当だ」と思う価格をつけることができて、それを理解してくれた消費者が購入するのです。

一方で、既存流通は、価格の決定権がないだけでなく、仲介手数料も取られてしまうので、利益率も低いのです。

例えば、農家の場合、消費者に届くまでに「農家-農協-卸売-仲卸-店舗-消費者」という仲介者がいます。

なので、農家の取り分は約30%しかないということになり、それが

農家は儲からず、子どもに継がせようとは思わない

という構造を生み出してしまっています。

ですが、食べチョクの場合は、「農家-食べチョク-消費者」なので、仲介者が少なく、価格の決定権は農家で、農家の取り分も80%なので、農家のこだわりが正当な利益として還元されるようになっています。

こういった事情があるため、多くの人の共感を呼ぶビジョンとなっています。

2-3.日吉歯科のビジョン

続いてが、山形県酒田市にある日吉歯科の

酒田市民の口腔内の健康状態を世界一にする

というビジョンです。

この歯科医院は「悪くなった歯をただ治療する」だけの普通の歯科医院ではなく

生涯自分の歯で食べられる人を増やす

ことを使命とし、予防歯科に力を入れています。

日吉歯科
画像出典:https://www.hiyoshi-oral-health-center.org/first/

患者が「歯が痛い」とやってきても、よっぽどのことがない限り、すぐには治療はしません。

虫歯になる構造や歯磨きの仕方などを歯科衛生士と一緒に徹底的に行い、口内環境が清潔になってから治療するのです。

治療しても、口内環境を清潔に保つ習慣ができてなければ、またすぐに歯が悪くなるからです。

今では、酒田市民の1割の1万人以上が通い、全国からお客さんが集まり、東京支店も1年以上の予約待ちという人気の歯科医院で、8割が家族単位で来院します。

日本で、12歳の虫歯の全国平均本数は0.9本ですが、酒田市は0.57本と極端に良い数字を出しているのは、まさにこの日吉歯科が酒田市にあるからというところが大きいでしょう。

そんな中掲げられている

酒田市民の口腔内の健康状態を世界一にする

というビジョンはスタッフの心を熱くさせるビジョンだと思います。

2-4.Energizeのビジョン

続いてが、株式会社Energizeの

月曜日が待ち遠しくなる社会を作る

というビジョンです。

株式会社Energizeは「セムコスタイル」という組織マネジメントのメソッドを使って、様々な企業に、業績だけでなく、働きがいが高い組織を作るコンサルティングを提供している会社です。

Energize
画像出典:https://energize-group.co.jp/

世の中には業績が高い会社はたくさんありますが、業績も働きがいも両方高い会社というのは非常に少ないです。

例えば、日本企業の社員エンゲージメントを測った調査(米ギャップ社)では、日本企業で働く社員の中で

  • 熱意ある社員:6%
  • 熱意が低い社員:23%
  • 熱意が全くない社員:71%

というような結果が出ていたりします。

ですが、世界を見渡してみると、この業績だけでなく、働きがいも高い状態を作っている会社があります。

それが産業機械などの製造を行うSEMCO社という会社で、

  • 平均年間成長率147%(過去20年間)
  • 離職率2%
  • 就職人気企業ランキング第1位

という業績も働きがいも高いという結果を出しました。

業績も働きがいも高いという組織は世界的にも非常に珍しかったため、ハーバード大学をはじめとした世界76大学の研究対象になったり、IBMやフォードや京セラなどのCEOも視察に訪れ、CEOのリカルド・セムラーが出した著作は世界累計100万部を突破しました。

リカルド・セムラー

そして、後に

この業績と働きがいが高まる組織運営の方法をSEMCO社だけで留めておくのは勿体無い

となり、オランダのコンサルティング企業とリカルド・セムラーがタッグを組んで、「セムコスタイル」という組織マネジメントのメソッドを確立しました。

今、このセムコスタイルは世界12カ国に普及し、従業員数10名以下の組織から3000名を超える組織で、あらゆる業界に導入が進んでいます。

このセムコスタイルを日本で初めて導入し、ライセンスパートナーとなったのが株式会社Energizeです。

自社に導入してたった9ヶ月で

  • 従業員一人当たりの売上高が過去最高になった
  • 自分たちのボーナスの金額を、社員が話し合いで決めるようになった
  • 評価、報酬制度を自分たちで決めるためのチームが動き出した
  • 同業のコンサルティング会社が、僕たちの会社のグループにジョインした
  • チームメンバーが上司の許可なく採用できる権限を得て、実際に新しく人を採用した
  • バックオフィス部門が、収益に直接的に貢献する行動を取った
  • 新卒インターンシップのエントリー数が前年比で130%アップした
  • 社員のモチベーションを測る指数であるセムコスキャンの平均点数が1年間で5.9点から8.1点にアップした
  • 20%あった退職率が0%になった

といったような変化が起きたそうです。

また、国内でも数十社に導入を進め、

  • 単月売上過去最高1300万円から2000万円にUPし、平均離職率30%を超える業界で離職率3%を実現(歯科医院)
  • 売上昨年対比150%を達成し、採用コストが1500万円から400万円に(化粧品メーカー)
  • 年間売上目標達成率が80%から150%に大幅アップし、営業の成約率が20%から40%へとアップ(動画制作)
  • 従業員一人当たりの平均売上が過去最高になり、3年以内の新卒離職率が50%から3%にダウン(コンサルティング)
  • 半年間で離職率が17%から0%へとダウンし、経営者の意思決定率を100%から60%に下げながら、1500万円の売上アップ(事業プロデュース)

といったような結果を出しています。

日本人で

月曜日が待ち遠しい。仕事が楽しくて楽しくて仕方がない

なんて思える人は中々いないと思います。

でも、そんな風に思える会社が日本にたくさん増えていけば、この日本は大きく変わると思います。

私もこのビジョンに賛同して、セムコスタイルを株式会社Energizeから学び、今、セムコスタイルの認定コンサルタントとして活動させてもらっています。

シンプルでわかりやすく、誰もが見るだけでワクワクするようなこのビジョンも完成度は非常に高いです。

3.ビジョンの作り方

では、続いてはビジョンの作り方について解説をしていきたいと思います。

3-1.ビジョンの共創

まず、ビジョンを作る際に覚えておかないといけないのは、一部のリーダーだけで全てを作ろうとしないことです。

一部のリーダーだけで作って、メンバーにトップダウンで降ろしてしまうと、リーダーだけが共感していて、メンバーは共感していないビジョンができてしまいます。

なので、ビジョンはリーダーとメンバーとで共に創り上げていく必要があります。

ただ、共に創り上げていくといっても、ビジョン作成に興味・関心がないメンバーに参加を強制させることはしない方がいいので、理想としては

  • 経営者
  • 経営幹部
  • ビジョン作成に興味関心があるメンバー

という構成で、ビジョン作成のプロジェクトチームを発足させることです。

ミーティング

このプロジェクトチームが中心となり、ビジョンの候補を複数作成していき、メンバーからのフィードバックを集め、ブラッシュアップをして、最後には投票するなどして、社内全体を巻き込みながら作成していきましょう。

3-2.キーワードの抽出

ビジョンは最終的には

月曜日が待ち遠しくなる社会を作る

というようにシンプルで分かりやすいキャッチコピーに落とし込む必要があります。

ただし、いきなりこのようなキャッチコピーを考え出すことは難しいので、まず、おすすめなのがビジョン作成に関わるキーワードを抽出することです。

  • なぜ、この会社を創業することになったのか?
  • 創業者はどんな人物だったのか?
  • どんな商品・サービスを提供しているのか?
  • どんな人を顧客対象としているのか?
  • 顧客にどうなってもらえることが理想なのか?
  • 他社との違いや強みは何か?
  • 課題や問題点は何か?
  • どんな瞬間に働く喜びを感じるのか?
  • なぜ、この会社に入社しようと思ったのか?
  • お客様から支持されているポイントは何か?
  • これからどんな企業を目指したいのか?

といったような質問を創業者、経営者、経営幹部、従業員、取引先、顧客などにインタビューしながら、キーワードを拾い上げていくことがおすすめです。

この拾い上げていくキーワードに正解も間違いもないので、とにかく数を拾い上げていきましょう。

3-3.キャッチコピーの作成とチェック

ある程度、キーワードの拾い上げが完了すれば、

  • 私たちはどんな世界を目指しているのか?
  • 顧客にどうなってもらうことが理想なのか?
  • なぜ、この事業をやっているのか?
  • どんな人に共感してもらいたいのか?

といったことを踏まえた上で、キーワードを元に、ビジョンの文章を簡潔にまとめていきましょう。

作成したビジョンの文章表現の完成度を高めていくためにおすすめなのは、『THE VISION』の著者であり、ブランドコンサルタントの江上隆夫さんが提示する効果的なビジョンの条件を参考にすると良いと思います。

  • なぜ、この事業を行っているのか?の答えとして成立している
  • 企業としての社会の中での本質的な役割が表現されている
  • 私たちの夢であり、公共の夢である性質を持っている
  • 自分たちがその言葉に共感でき、静かな喜びを感じている
  • 他にはないオリジナルティがある
  • 時間の経過に耐えて、長期の使用が可能である
  • 私分かりやすく、誰もが理解できる
  • 形容詞が少なく、短く、コンパクトにできている

また、ここに加えて、もう一つ言うのであれば、ビジョンを見た時に「ワクワクするかどうか」も重要だと思います。

これが本当に達成されたら、どんな素晴らしい世界が待っているのだろう

と自然と思ってしまうようなものであれば、より多くの人を巻き込むビジョンになります。

そういう点で言うと「現実的にまだまだ達成できていないこと」というのも効果的なビジョンの条件に加えても良いかもしれません。

ビジョンの事例としてよく挙げられるのが、Amazonの

The Everything Store(全てのものが買える店)

と、Googleの

1クリックで世界の情報へアクセス可能にする

という2つがあります。

もちろん、このビジョンは先ほど提示した効果的なビジョンの条件にも当てはまっている完成度が高いビジョンなのですが、

このビジョンを見て、ワクワクするかどうか?

と聞かれると、それほどワクワクはしないと思います。

というのも、AmazonもGoogleも、このビジョンを今の時点で、ほぼ達成しているように見えるからです。

そういう意味でも、定期的にビジョンを見直し、刷新していくことは非常に重要です。

最初に掲げたビジョンをほとんど達成できているか、達成する未来が見えてきた段階で今のビジョンの効力というのは薄くなってしまいます。

もちろん、ビジョンは売上目標のように毎年変化させるものではなく、ロゴのように数年間は使い続けるものだと認識した上で、時間をかけながら、慎重に作っていくことが大事です。

4.ビジョンを浸透させる方法

では、最後にビジョンを浸透させる方法について。

4-1.ビジョンを浸透させるための大前提

ビジョンが浸透するとは、仕事において何か行動や判断を迫られる時に、自然とビジョンを基準に意思決定できるという状態を組織のほとんど全てのメンバーが体現できているという状態です。

いちいち指示や説明をしなくても、全員が同じ方向を常に見ていて、目標・目的に向かって最短距離で走り出せるので、組織としても最大のパフォーマンスを発揮することができます。

組織が本来の力を発揮できている

では、ビジョンを浸透させるにはどうすればいいのか?

まず大前提として、共感されるビジョンを作ったのであれば

ビジョンを浸透させよう

と積極的に思う必要はないということです。

一般的にはビジョンを浸透させるために

  • 朝礼で唱和させる
  • 研修を実施する
  • 1 on 1で伝える
  • ホームページを刷新する
  • 表彰制度を作る

などが推奨されたりしますが、共感されていれば、刷り込む必要などはないのです。

その証拠に、経営者は最もビジョンを体現している存在ですが、これは誰かから強制的に刷り込まれたからそうしているわけではなく、共感しているから自然と体がビジョンに沿って動くのです。

つまり、ビジョンが自然と浸透しない場合は、メンバーにビジョンが共感されていない可能性が非常に高いということです。

だからこそ、前提として、ビジョンはメンバーと共創することが大事です。

多くの企業では、ビジョンはメンバーの預かり知らぬところで勝手に決められている場合が多く、それだとメンバーの想いが入っていないビジョンになるので共感は起きないのです。

ですが、ビジョンを共創すると、そこにメンバーの想いも入るので、共感が起きやすくなります。

そして、その上で、経営者や経営幹部などのリーダー層が積極的に作成したビジョンを基準に行動していく必要があります。

どれだけ共感されるビジョンを作ったとしても、リーダーがそれに基づいて行動しなければ、メンバーは絶対に続きません。

ビジョンが浸透するかどうかは、リーダーの動き方にかかっているのです。

4-2.ビジョンが自然と浸透しやすい組織構造とは?

また、そういう意味で言うと、メンバー全員が

私たちはリーダーである

という自覚を持っている組織ほど、ビジョンが浸透しやすいとも言えます。

一般的に企業の組織構造はトップダウン型の構造になっていると思います。

トップダウン型組織

トップダウン型組織は「リーダーの意思決定にメンバーが従う」という原則の元

  • リーダー:計画・意思決定・指示・行動管理・結果責任
  • メンバー:実行

という役割に分けて、同じ目的・ゴールを追いかける組織のことです。

ですが、この組織構造だと

  • リーダー:指示する側
  • メンバー:指示される側

という意識が強く育ってしまい、中々主体性を持って、自らが積極的にビジョンを体現しようという意識は育ちにくいです。

特にこの組織構造だと、メンバーの意思決定の権限の幅も少なく、そもそもビジョンを基準に考えるという習慣が作りにくいのです。

なので、おすすめなのは、組織構造をセルフマネジメント型組織に変えていくということです。

トップダウン型組織とセルフマネジメント型組織

セルフマネジメント型組織では、

  • リーダー:メンバーの意思決定と目標達成をサポート
  • メンバー:計画・意思決定・行動管理・結果責任

という役割に分け、メンバーに権限委譲を進めて

メンバーに任せても、最高の結果が手に入る

という状態を目指す組織です。

この形であれば、トップダウン型組織よりも、メンバーは自らが考えて、意思決定できる範囲が増えていくので、ビジョンを基準に仕事を進める習慣が身に付きます。

実際にトップダウン型組織からセルフマネジメント型組織へと移行したことで

  • 単月売上過去最高1300万円から2000万円にUPし、平均離職率30%を超える業界で離職率3%を実現(歯科医院)
  • 売上昨年対比150%を達成し、採用コストが1500万円から400万円に(化粧品メーカー)
  • 年間売上目標達成率が80%から150%に大幅アップし、営業の成約率が20%から40%へとアップ(動画制作)
  • 従業員一人当たりの平均売上が過去最高になり、3年以内の新卒離職率が50%から3%にダウン(コンサルティング)
  • 6ヶ月で離職率が17%から0%へとダウンし、経営者の意思決定率を100%から60%に下げながら、1500万円の売上アップ(事業プロデュース)

といったように業績だけでなく、働きがいも飛躍的に向上したという結果も出ているので、この組織構造はおすすめです。

このセルフマネジメント型組織の作り方については「セムコスタイルとは何か?業績と働きがいが飛躍的に高まる組織の作り方を徹底解説」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

5.ビジョンを効果的に活用したい方へ

今回の記事では「ビジョン」についての基礎知識や作り方や組織に浸透させる方法などを様々な角度でお伝えしました。

ぜひ、今回の記事を読んで、ビジョンを見直すきっかけにしていただけると幸いです。

また、「ビジョンを活用し、業績も働きがいも高い組織を作る方法」に関して、もっと深く学んで実践していきたいと思われた方は、私の公式LINEアカウントで配信されている無料の動画講座をぜひご覧ください。

この動画講座では、

  • 平均成長率年間147%、離職率2%、就職人気企業ランキングNo.1を実現した!次世代型組織の作り方
  • 単月売上過去最高!離職率3%を実現した歯科医院のコンサルティング事例解説
  • 採用コストが1500万円から400万円に下がった化粧品メーカーのコンサルティング事例解説
  • 年間の売上目標達成率80%から150%にまで大幅アップした動画制作企業のコンサルティング事例解説

などを解説しており、ビジョンを活用した組織作りのヒントを得ることができます。

受講は無料なので、ぜひ公式LINEアカウントに登録してみてください。

中江翔吾
中江翔吾
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!

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再び、ビジョンについて理解する(本ページ上部に移動する)

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